top of page
検索


vol.113【霊枢】九鍼とは何か?〜道具に込められた東洋の設計思想〜— 鍼とは、氣に触れるための“意識の延長”である —
現代の鍼灸では、主に「毫鍼(ごうしん)」一本を使って施術を行うのが一般的です。しかし、古代中国で記された『霊枢・九鍼十二原篇』では、なんと 九種類の鍼具 が使い分けられていたと記されています。 それぞれの形状・目的・操作法には、ただの道具以上の“氣の思想”が込められていまし...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 6分


vol.112【霊枢】経脈とは何か?〜生命をめぐる十二の川〜— 経脈を知らずして、鍼を語るなかれ —
ツボを使う、経絡を使う、氣を動かす――鍼灸師として生きていく中で、私たちは日々「経絡」という言葉に触れています。しかし、 「経脈とは何か?」と問われて、明確に答えられる人はどれほどいるでしょうか? 本稿では、霊枢の核心ともいえる経脈観を、臨床・哲学・解剖・氣の運行すべてを含...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 5分


vol.111【素問】“現代の素問”を目指して〜未来へつなぐ東洋医学〜— 治療とは、“いのち”へのまなざしを継ぐこと —
2500年前に書かれた『黄帝内経・素問』。それは単なる医学書ではありませんでした。 病気を治すための知識ではなく、 人間という存在を深く観るための智慧 技術を磨くためのマニュアルではなく、 “氣”と共に生きる哲学 そして何より、“人を癒す”という...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 5分


vol.110【素問】素問と構造医学〜身体の内と外をつなぐ〜— 解剖の奥に、“氣の通り道”がある —
身体のゆがみ、姿勢の崩れ、呼吸の浅さ、臓器の下垂――これらは現代の構造医学や運動療法でも注目される問題ですが、東洋医学の古典『素問』では、 すでに“内と外の関係性”を説いています。 そこに記された言葉は、 単なる哲学ではなく、氣の流れと構造の整合性を読み解く鍵 。...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 5分


vol.109【素問】素問に学ぶアレルギー・アトピーの根治戦略— 外因ではなく、“内なる地”を整える医術 —
アレルギー、アトピー性皮膚炎、花粉症、食物過敏――現代人を悩ませるこれらの疾患は、 “外からの刺激”への過剰な反応 によって起こるとされています。 でも本当に、それだけが原因でしょうか? 東洋医学の古典『素問』は、こう教えてくれます。 「正気存内、邪不可干。」――...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 6分


vol.108【素問】素問的視点でみる不妊と妊活— 命は、自然のリズムと共に芽吹く —
「なかなか授からない」「タイミングは合っているのに、妊娠しない」「体質的に妊娠できるのか不安…」 現代では“妊活”という言葉が一般的になりましたが、東洋医学では “受胎”も“妊娠の継続”も“出産”も、すべて自然の流れとして捉えます。...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 6分


vol.107【素問】素問から読み解く自律神経調整— 陰陽のリズムが整えば、心と体は自然とほどけていく —
「疲れているのに眠れない」「動悸・息苦しさ・めまい・気分の浮き沈み…」――これらの不調の背景には、 自律神経の乱れ があることが多くあります。 現代医学では交感神経・副交感神経と説明されますが、東洋医学にはそれに相当する考え方が、 数千年前から存在していました。 それが、...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 6分


vol.107【素問】素問から読み解く自律神経調整— 陰陽のリズムが整えば、心と体は自然とほどけていく —
「疲れているのに眠れない」「動悸・息苦しさ・めまい・気分の浮き沈み…」――これらの不調の背景には、 自律神経の乱れ があることが多くあります。 現代医学では交感神経・副交感神経と説明されますが、東洋医学にはそれに相当する考え方が、 数千年前から存在していました。 それが、...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 6分


vol.106【素問】証とは何か?〜弁証論治の本質〜— 病を診るな、“証”を立てよ —
「この人の不調の“本質”はどこにあるのか?」東洋医学では、それを探ることを 「証(しょう)を立てる」 といいます。 単なる症状の羅列ではなく、 気・血・津液・五臓・陰陽の状態を整理し、治療の方向性を決定づける“答え” ――それが「証」であり、 東洋医学の診断哲学の到達点...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 5分


vol.105【素問】精神・情緒に対する鍼灸治療の可能性— 心を癒す鍼がある。感情に寄り添うツボがある —
「最近、心が疲れている気がする」「イライラ・不安・眠れないけど、病院では異常なし」そんな“こころの不調”に悩む現代人は、少なくありません。 でも――東洋医学では、「こころ」と「からだ」は切り離されていません。 感情は臓腑の声であり、氣の流れそのもの。...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 5分


vol.104【素問】補瀉の思想と操作〜鍼灸技術の哲学〜— 足すか、引くか。それは“氣”への問いかけ —
東洋医学における鍼灸は、「ツボに刺すこと」が目的ではありません。本質は、“氣”に対して何を働きかけるか。つまり―― 補(ほ)うのか、瀉(しゃ)すのか。 この「補瀉(ほしゃ)」こそが、鍼灸という技術の核にして、最も深い哲学です。 【1. 補瀉とは何か?】 補法(ほほう)...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 5分


vol.103【素問】経絡と臓腑のリンク〜なぜそのツボが効くのか〜— ツボは、ただの点ではない。全身をつなぐ線の交差点 —
「肩こりに手首のツボ?」「内臓の調整なのに足に鍼?」鍼灸を初めて受けた方が、必ずといっていいほど感じるのが、ツボの“不思議な場所”です。 でもそれには、 経絡(けいらく)という明確な“つながり”のルール があるのです。ツボは単なる“押しポイント”ではなく、...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 6分


vol.102【素問】五臓別の治療戦略:肝虚・脾虚・腎虚をどう診るか— 臓が弱ると、心も体も支えを失う —
東洋医学において、 病を“どの臓が弱ったのか”から逆算して組み立てる戦略 はとても重要です。中でも現代人に圧倒的に多いのが、「肝虚」「脾虚」「腎虚」という三大虚パターン。 虚(=不足・消耗)とは、エネルギーの減衰であり、構造のもろさであり、回復力の低下です。このコラムでは、...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 6分


vol.101【素問】虚実・寒熱・表裏・陰陽で治療方針を立てる— すべての診断は“この四象”から始まる —
東洋医学における診断は、単なる「症状の確認」ではありません。それはまるで、目の前の身体に“地図を描く”ような作業です。 その地図を読み解くためのコンパスこそが、 虚実・寒熱・表裏・陰陽 という「四つの対立概念(四象弁証)」です。...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 6分


vol.100【素問】舌診・腹診と五臓のつながり— 目と手で観る“内臓の地図” —
東洋医学の診察法は「四診(ししん)」――望診・聞診・問診・切診――の総合です。中でも「舌診(ぜっしん)」と「腹診(ふくしん)」は、 目と手で直接“内臓の状態”を観る 極めて重要な方法。 舌とお腹は、 内臓の状態が投影される“鏡”であり“スクリーン”...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 6分


vol.99【素問】脈診とは何か?〜手首の奥にある“生き様”〜 — 脈は嘘をつかない。だから、真実に届く —
脈を診る。それは、東洋医学において「命のリズムを触れる」という行為です。 目で見るのではなく、耳で聞くのでもなく、 “手の感覚”だけで相手の気血・臓腑・精神状態までも読み取る技術 ――それが脈診(みゃくしん)です。 一見すると曖昧で神秘的に思えるかもしれませんが、そこには数...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 6分


vol.98【素問】病邪の伝変ルート〜内から外へ、外から内へ〜 — 病は止まらない。だからこそ、流れを読む —
東洋医学の特徴の一つは、「病気を“静”ではなく“動”で捉える」ことです。つまり、“症状”をその場で固定して見るのではなく、 病がどこから来て、どこへ向かっているのか という“流れ”を観察する。 それが、病邪の「伝変(でんぺん)」という考え方です。“病は動く”――この東洋的視...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 6分


vol.97【素問】正気と邪気の戦い〜免疫と未病の視点〜— 病は“外”からではなく、“中”から決まる —
東洋医学には、病の発症を語る上で欠かせない言葉があります。それが「正気(せいき)」と「邪気(じゃき)」です。 現代的にいえば、正気とは“免疫力・自然治癒力”、邪気とは“外敵・病原体・ストレス”のようなもの。 けれども、東洋医学が伝えるこの関係性は単なる強弱ではなく、...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 5分


vol.96【素問】七情:怒・喜・思・悲・恐・驚・憂と五臓の関係— 感情は、内臓で感じている —
東洋医学では、「心で感じる感情」は、 五臓六腑と密接に結びついている と考えます。私たちは怒ったとき肝が反応し、悲しむと肺が沈み、恐れれば腎が震える。つまり、 “情”は“臓”に宿る。 この思想をもとに構築されたのが「七情(しちじょう)」と呼ばれる感情病理学です。現代医学では...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 5分


vol.95【素問】六淫(風・寒・暑・湿・燥・火)の病理と応用— 気候が変われば、体も心も変わる —
私たちは「自然」という大きな生命圏の中に生きています。雨が降れば寒くなり、風が吹けば乾燥する――。このような 気候や環境の変化が病気の引き金になる という視点、それが東洋医学における「外因」の考え方です。 そして、外因は6つに分類されます。それが「六淫(りくいん)」です。風...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 6分
bottom of page