top of page

vol.100【素問】舌診・腹診と五臓のつながり— 目と手で観る“内臓の地図” —

  • 執筆者の写真: - 鍼仙人 - 高山 昌大
    - 鍼仙人 - 高山 昌大
  • 3月25日
  • 読了時間: 6分

更新日:3月27日

東洋医学の診察法は「四診(ししん)」――望診・聞診・問診・切診――の総合です。中でも「舌診(ぜっしん)」と「腹診(ふくしん)」は、目と手で直接“内臓の状態”を観る極めて重要な方法。

舌とお腹は、内臓の状態が投影される“鏡”であり“スクリーン”。言葉にならない不調を、確かに映し出してくれます。



【1. 舌診とは? 舌は“内臓のスクリーン”】


舌は“内臓の鏡”とも呼ばれ、色・形・苔・潤い・動きなど、さまざまな情報を持っています。


舌の部位

対応する臓器

舌尖

心・肺

舌中

脾・胃

舌根

腎・膀胱・生殖器

舌辺

肝・胆


☯️ 鍼仙人の観点:


舌は“黙って語る内臓”。その形や色のわずかな変化が、体の内なる声を伝えている。

🧐 観察ポイント例:


  • 淡白・むくみ舌:気虚・水分停滞

  • 赤く痩せた舌:陰虚・熱症

  • 黄色厚苔:湿熱・炎症傾向

  • 裂紋舌・地図状舌:消化器弱り・潤い不足

  • 舌下静脈の怒張:瘀血・血行不良



【2. 腹診とは? 腹は“臓腑の表現場”】


腹診は、患者の腹部を触診して臓腑・気血の状態を判断する技術です。日本の鍼灸や漢方医学では特に重視されており、「五臓の手触りを読む」ような診方とも言えます。


腹部の領域

対応する臓腑

みぞおち(心窩部)

胃・心

おへその周り

脾・胃・腸

下腹部(丹田)

腎・膀胱・子宮

左右肋骨下部

肝・胆


🖐️ 所見の例:


  • 圧痛(おすと痛む):気滞や炎症反応

  • 硬結(こり):冷え・瘀血・慢性緊張

  • 膨隆(張り):気の滞り、水分停滞

  • 陥凹(へこみ):虚弱・消耗・冷え


☯️ 鍼仙人の捉え方:


腹は“身体の感情の貯蔵庫”。悩みや怒り、不安は、お腹の奥にそっと隠されている。


【3. 舌診と腹診を重ねると、診断が立体化する】


舌と腹、両方を診ることで、表と裏、動と静、外と内の情報がつながります。


🧩 たとえば…


  • 舌が赤く、苔が厚く、腹部が硬い → 熱邪・炎症・ストレス過多

  • 舌が白くむくみ、腹部が冷えて沈む → 脾腎陽虚・水滞

  • 舌が痩せ、腹部が陥凹 → 陰虚・気血不足・過労体質


☯️ 鍼仙人はこう観る:


舌と腹は“二つの地図”。一つは内臓の声を映し出し、もう一つは感情の歴史を語っている。


【4. 舌と腹に現れる“未病のサイン”】


多くの患者さんは「まだ病気ではないけど調子が悪い」という状態で来院します。こうした“未病”の段階でこそ、舌診・腹診の出番です。


  • 舌に薄く白苔 → 胃腸の冷えのサイン

  • お腹が張るけど痛くはない → 気滞(ストレス系)

  • 舌の縁に歯型 → 脾の気虚(消化力の低下)


こうした微細な兆しを捉え、先手を打てるのが東洋医学の真骨頂です。



【5. 鍼灸にどう活かすか?診断から治療まで】


舌と腹の状態から、以下のような施術戦略が導き出されます。


  • 舌が赤く苔が厚い → 清熱・健脾・疏肝の鍼

  • 舌が淡く苔が少ない → 補気・養血・温補の灸

  • 腹が硬い → 胸郭や肋骨周囲の解放、肝経へのアプローチ

  • 丹田が冷たい → 腎を温め、生命力を再点火


🪡 施術後に舌の色が戻る、腹の張りが和らぐ――これが「効いたかどうか」を判断するバロメーターにもなります。



🔚まとめ:東洋医学の診察は、“見る・触れる・感じる”の融合


問診や検査数値では捉えきれない“違和感”を、舌と腹は明確に教えてくれます。

身体は、常にメッセージを出している。それを読む力が、鍼灸師の診断力であり、“心と身体をつなぐ医術”の原点です。


次回は「虚実・寒熱・表裏・陰陽で治療方針を立てる」について解説していきます。東洋医学の“診断の軸”を整理し、迷わず治療を組み立てるための方法を伝授します。


🌿 voyage.鍼灸ラウンジ – Total Body Health & Beauty Care – 🌿

〜 鍼灸治療 × 整体 × 美容エステ 〜


“目に見えない声を、そっと読み解く診察を。”


隠れ家のようなプライベートラウンジで、

舌と腹から読み解く“内なる声”に耳を傾けています。



『鍼仙人』院長 高山 昌大

施術歴16年/87,000人以上の施術実績。

プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。

鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。鍼灸・柔整・構造医学・東洋医学をはじめとする幅広い知識と手技を融合。

「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。


🟡 典拠(古典より):

《素問・五蔵生成篇》:「舌は心の苗」

《霊枢・脉度篇》:「観其舌色,以知五蔵之病」

《難経・六十五難》:「腹診者,以候五臓之虚実寒熱也」




\対応キーワード一覧/  

<施術・メニュー系>  

鍼灸・整体・美容鍼・美容整体・骨盤矯正・小顔矯正・小尻矯正・マッサージ・ヘッドスパ・リラクゼーション・経絡治療・オイルマッサージ・フェイシャルトリートメント・エステ・パーソナルトレーニング


<症状・お悩み系>  

肩こり・腰痛・頭痛・首こり・猫背・巻き肩・肩甲骨はがし・坐骨神経痛・冷え性・むくみ・不眠症・睡眠改善・眼精疲労・疲労回復・PMSケア・更年期ケア・冷え対策・自律神経・体質改善・AGケア


<ケア対象・ターゲット別>  

産後ケア・マタニティケア・シニアケア・学生割引あり


<施設タイプ・専門性>  

鍼灸院・整体院・整骨院・ボディケア・リラクゼーションサロン


<対応エリア>  

東京都・足立区・六町・南花畑・北綾瀬・綾瀬・青井・梅島・西新井・谷在家・舎人・見沼代親水公園・浅草・北千住・南千住・上野・日暮里・西日暮里・秋葉原・表参道・銀座・有楽町・豊洲・東京駅・丸の内・世田谷・品川・渋谷・恵比寿・中目黒・吉祥寺・高円寺・荻窪・三鷹・葛西・西葛西・東陽町・人形町・八潮・三郷・南流山・流山おおたかの森・流山セントラルパーク・柏の葉キャンパス・松戸・我孫子・幕張・千葉市・草加・越谷・川口・大宮・浦和・守谷・つくばみらい・みらい平・研究学園・つくば・千代田区・中央区・台東区・荒川区・世田谷区・品川区・葛飾区・江戸川区・江東区・石岡市・土浦市・水戸市・さいたま市・浦和


\ハッシュタグ/  

Comments

Rated 0 out of 5 stars.
No ratings yet

Add a rating
bottom of page