vol.102【素問】五臓別の治療戦略:肝虚・脾虚・腎虚をどう診るか— 臓が弱ると、心も体も支えを失う —
- - 鍼仙人 - 高山 昌大
- 3月25日
- 読了時間: 6分
更新日:3月27日
東洋医学において、病を“どの臓が弱ったのか”から逆算して組み立てる戦略はとても重要です。中でも現代人に圧倒的に多いのが、「肝虚」「脾虚」「腎虚」という三大虚パターン。
虚(=不足・消耗)とは、エネルギーの減衰であり、構造のもろさであり、回復力の低下です。このコラムでは、それぞれの臓虚の特徴と、どう治療を組み立てていくかを整理していきます。
【1. 肝虚(かんきょ):自律神経と感情の支柱が折れる】
肝は「疏泄(そせつ)」といい、全身の気をスムーズに流す働きがあります。これが虚すと、気の巡りが悪くなり、情緒不安・筋緊張・女性疾患が起こりやすくなります。
🧠 主な症状:
疲れやすいが夜に眠れない
目がかすむ・視力の低下
PMS・生理不順・イライラ
爪がもろい・筋肉がつりやすい
👀 舌:淡くやや赤、薄白苔/🫀 脈:細く弦っぽい
🪡 施術戦略:
養血柔肝:血を補い、肝の伸びやかさを回復
疏肝理気:気滞があれば同時に流す
補腎配合:肝腎同源で土台の支えも補う
📍代表ツボ:太衝、肝兪、三陰交、百会、内関
☯️ 鍼仙人の視点:
肝虚とは、“感情のブレーキが効かなくなる状態”。自律神経やメンタルの根幹は、静かに肝に支えられている。
【2. 脾虚(ひきょ):消化と氣の源が枯れていく】
脾は「運化(うんか)」といい、食べ物から気血を作る中心です。脾が虚すと、疲れ・食欲不振・むくみ・重だるさなどの症状が現れます。
🧠 主な症状:
朝がとにかくしんどい・午前中に調子が出ない
食欲がない/すぐお腹いっぱいになる
顔や足がむくむ
下痢気味/軟便傾向
👅 舌:淡く、歯痕あり/🫀 脈:虚・緩・やや細
🪡 施術戦略:
健脾益気:気血を生む源の立て直し
温中補陽:冷えが強い場合は陽気補助
理湿化痰:水分停滞・湿がある場合に加える
📍代表ツボ:足三里、中脘、脾兪、陰陵泉、関元
☯️ 鍼仙人の視点:
脾虚とは、“ガソリンが入っていないエンジン”。補うこと、温めること、動かすこと――この三位一体が鍵となる。
【3. 腎虚(じんきょ):土台の崩れ、生命力の減衰】
腎は「蔵精(ぞうせい)」といい、成長・発育・老化・生殖・骨・耳などを司る根本の臓。腎虚は老化現象やホルモン異常、不妊、慢性疲労の背景に必ず存在します。
🧠 主な症状:
足腰のだるさ・力が入らない
頻尿・夜間尿・性機能低下
難聴・耳鳴り
慢性疲労・慢性疾患が治りにくい
👅 舌:淡くて潤い不足/🫀 脈:沈で力なし or 細弱
🪡 施術戦略:
補腎益精:精を養い、腎気を底上げ
温腎壮陽:陽虚タイプには温補
補肝配合:肝腎同源として調整
📍代表ツボ:腎兪、太渓、命門、関元、三陰交、照海
☯️ 鍼仙人の観点:
腎虚とは、“生命の貯金箱が空になってきた状態”。焦らず、じっくり、深く、積み重ねる施術こそが必要。
【4. 実は“虚”が主流の時代に生きている】
現代人の多くは、「実(攻めすぎ)」よりも「虚(足りなすぎ)」で不調を抱えています。夜型生活・感情の抑圧・食の不安定・情報過多――すべてが気血精の消耗=臓虚のトリガーとなります。
だからこそ、問診・舌診・腹診・脈診などで「虚の質」を見極める力が求められるのです。
☯️ 鍼仙人の哲学:
治すとは、足りないものを取り戻すこと。“静かな力”を育む施術にこそ、本物の価値がある。
🔚まとめ:臓の声を聴けば、治療の道筋は自然と見えてくる
肝・脾・腎――それぞれが“生命を養う三本柱”。
だからこそ、どの柱が傾いているか?どこから立て直すか?その判断が、すべての治療戦略の起点となります。
次回は「経絡と臓腑のリンク〜なぜそのツボが効くのか〜」について解説していきます。経絡とは何か?臓器とツボがどう結びついているのか?を読み解いていきましょう。
🌿 voyage.鍼灸ラウンジ – Total Body Health & Beauty Care – 🌿
〜 鍼灸治療 × 整体 × 美容エステ 〜
“内臓の声に耳を傾け、静かな力を育む施術を。”
隠れ家のようなプライベートラウンジで、
“臓の疲れ”を見抜く確かな診断と、心に届くケアを提供しています。
『鍼仙人』院長 高山 昌大
施術歴16年/87,000人以上の施術実績。
プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。
鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。鍼灸・柔整・構造医学・東洋医学をはじめとする幅広い知識と手技を融合。
「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。
🟡 典拠(古典より):
《素問・蔵気法時論》:「肝者、将軍之官、謀慮出焉」「脾者、倉廩之官、五味出焉」「腎者、作強之官、伎巧出焉」
《霊枢・本神篇》:「五臓者、身之主也、不可傷也」
《難経・三十六難》:「補肝者、以酸;補脾者、以甘;補腎者、以鹹」

\対応キーワード一覧/
<施術・メニュー系>
鍼灸・整体・美容鍼・美容整体・骨盤矯正・小顔矯正・小尻矯正・マッサージ・ヘッドスパ・リラクゼーション・経絡治療・オイルマッサージ・フェイシャルトリートメント・エステ・パーソナルトレーニング
<症状・お悩み系>
肩こり・腰痛・頭痛・首こり・猫背・巻き肩・肩甲骨はがし・坐骨神経痛・冷え性・むくみ・不眠症・睡眠改善・眼精疲労・疲労回復・PMSケア・更年期ケア・冷え対策・自律神経・体質改善・AGケア
<ケア対象・ターゲット別>
産後ケア・マタニティケア・シニアケア・学生割引あり
<施設タイプ・専門性>
鍼灸院・整体院・整骨院・ボディケア・リラクゼーションサロン
<対応エリア>
東京都・足立区・六町・南花畑・北綾瀬・綾瀬・青井・梅島・西新井・谷在家・舎人・見沼代親水公園・浅草・北千住・南千住・上野・日暮里・西日暮里・秋葉原・表参道・銀座・有楽町・豊洲・東京駅・丸の内・世田谷・品川・渋谷・恵比寿・中目黒・吉祥寺・高円寺・荻窪・三鷹・葛西・西葛西・東陽町・人形町・八潮・三郷・南流山・流山おおたかの森・流山セントラルパーク・柏の葉キャンパス・松戸・我孫子・幕張・千葉市・草加・越谷・川口・大宮・浦和・守谷・つくばみらい・みらい平・研究学園・つくば・千代田区・中央区・台東区・荒川区・世田谷区・品川区・葛飾区・江戸川区・江東区・石岡市・土浦市・水戸市・さいたま市・浦和
\ハッシュタグ/
Comments