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vol.101【素問】虚実・寒熱・表裏・陰陽で治療方針を立てる— すべての診断は“この四象”から始まる —

  • 執筆者の写真: - 鍼仙人 - 高山 昌大
    - 鍼仙人 - 高山 昌大
  • 3月25日
  • 読了時間: 6分

更新日:3月27日

東洋医学における診断は、単なる「症状の確認」ではありません。それはまるで、目の前の身体に“地図を描く”ような作業です。

その地図を読み解くためのコンパスこそが、虚実・寒熱・表裏・陰陽という「四つの対立概念(四象弁証)」です。

この四象は、あらゆる東洋医学の診断・治療方針の土台。これを読み間違えれば、どんな名人でも“的外れな施術”になってしまいます。



【1. 虚実(きょじつ)とは? 気血の充実度を診る】


  • 虚(きょ):足りない状態。気血や精が不足。

  • 実(じつ):余っている・滞っている状態。邪気が強い、鬱滞がある。


🧪 症状の特徴:


分類

典型症状

感覚

虚証

疲れやすい・声が小さい・冷え・息切れ

弱い・ぼんやり

実証

イライラ・便秘・熱感・脈が力強い

重い・鋭い・張る


☯️ 鍼仙人の捉え方:


虚実を見誤れば、補うべきところに瀉をし、瀉すべきところに補をしてしまう。治療は“過不足の調整”。これがすべての基本だ。

【2. 寒熱(かんねつ)とは? 体の“熱冷”バランス】


  • 寒証(かんしょう):冷え、代謝の低下、陽気の不足

  • 熱証(ねっしょう):ほてり、炎症、過活動、陰の不足


🧪 症状の特徴:


分類

典型症状

舌・脈の傾向

寒証

冷え、ゆるい便、顔色白、眠い

舌は淡、苔は白、脈は遅

熱証

口渇、赤ら顔、イライラ、便秘

舌は赤、苔は黄、脈は速

※寒熱の判断は「手足の冷え」「発汗の有無」「舌の色と苔」がポイント。



【3. 表裏(ひょうり)とは? 病の“深さ”を読む】


  • 表証(ひょうしょう):体表や浅い部分の病。風邪・肩こりなど

  • 裏証(りしょう):臓腑・内臓の病。胃腸障害・内科的症状など


🧪 症状の特徴:


分類

典型症状

治療方針

表証

発熱・悪寒・咳・頭痛

表を発散させる:風邪の初期に多い

裏証

胃痛・便秘・下痢・動悸

臓腑の調整:根本からのアプローチ

☯️ 鍼仙人の観点:


表裏を読み違えると、症状の“入り口”しか見えない。深さを見抜くことが、真に届く治療を導く。


【4. 陰陽(いんよう)とは? 全体の“氣の方向性”】


  • 陰証:冷え・沈静・不足・静

  • 陽証:熱・興奮・過剰・動


※陰陽はあらゆる弁証に重なる“総体的視点”。どちらに傾いているかを把握することで、施術の方向性が定まります。

例:・陰虚の熱 → 表面は熱だが、実は潤い不足・陽虚の寒 → 表面は冷えているが、内なるエネルギー不足


☯️ 鍼仙人の解釈:


陰陽を診るとは、“氣の流れの向き”を観ること。陰陽の逆流は、病の根である。


【5. 四象で“診断と治療の設計図”が描ける】


🧠 実践例:


  • 虚・寒・裏・陰 → 脾腎陽虚 → 温補・補腎・補気の施術

  • 実・熱・表・陽 → 風熱外感 → 清熱・発汗・表邪の追い出し

  • 虚・熱・裏・陰 → 陰虚火旺 → 養陰・清熱・安神系のアプローチ


このように、四象を整理することで、施術の選定・刺激量・ツボの優先度すべてが見えてきます。


☯️ 鍼仙人はこう考える:


四象とは、診断という海に浮かぶ“四本の羅針盤”。方角を見失わなければ、どんな不調にも航路は見つかる。


🔚まとめ:診断がすべてを決める


優れた治療とは、優れた診断の上に成り立ちます。虚実・寒熱・表裏・陰陽――この四象の把握が、東洋医学の“決断力”となるのです。

どこが足りていないのか? どこが滞っているのか?その問いに真正面から向き合うことが、本当の治療を可能にします。


次回は「五臓別の治療戦略:肝虚・脾虚・腎虚をどう診るか」について解説していきます。五臓が虚したとき、どのような施術で立て直すのか? “臓別アプローチ”の極意をお届けします。


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『鍼仙人』院長 高山 昌大

施術歴16年/87,000人以上の施術実績。

プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。

鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。鍼灸・柔整・構造医学・東洋医学をはじめとする幅広い知識と手技を融合。

「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。


🟡 典拠(古典より):

《素問・至真要大論》:「診病之本,必先正其虚実,寒熱表裏」

《霊枢・九鍼十二原篇》:「虚則補之,実則瀉之」

《難経・六十五難》:「診察四象,然後可論治矣」





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