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vol.104【素問】補瀉の思想と操作〜鍼灸技術の哲学〜— 足すか、引くか。それは“氣”への問いかけ —

  • 執筆者の写真: - 鍼仙人 - 高山 昌大
    - 鍼仙人 - 高山 昌大
  • 3月25日
  • 読了時間: 5分

更新日:3月27日

東洋医学における鍼灸は、「ツボに刺すこと」が目的ではありません。本質は、“氣”に対して何を働きかけるか。つまり――補(ほ)うのか、瀉(しゃ)すのか。

この「補瀉(ほしゃ)」こそが、鍼灸という技術の核にして、最も深い哲学です。



【1. 補瀉とは何か?】


  • 補法(ほほう):足りないものを補い、氣血を充実させる操作

  • 瀉法(しゃほう):滞っているものを流し、過剰な邪気を抜く操作


シンプルにいえば、エネルギーの“出し入れ”を操作する技術です。ただし、単に“強く刺す・抜く”という話ではありません。


☯️ 鍼仙人の捉え方:


補瀉とは、体と氣との“対話の方向”である。相手の氣が求めているのは、支援なのか、解放なのか――それを見極める力が問われる。


【2. 補法と瀉法の使い分け】


🪡 補法を使うべき状況:


  • 気虚・血虚・陰虚・陽虚などの“虚証”

  • 慢性疲労・虚弱体質・冷え性

  • 病後回復・高齢者・不妊治療など


🪡 瀉法を使うべき状況:


  • 実証・気滞・湿熱・瘀血・炎症性疾患

  • のぼせ・頭痛・イライラ・むくみ・便秘

  • 急性症状や緊張が強い場合


これを間違えると――・虚証に瀉法を使えばさらに消耗し、・実証に補法を使えば邪気が助長される治療が逆効果になるリスクさえあります。



【3. 補瀉の操作技術】


実際の操作には、様々な手法と“氣の扱い方”の感性が必要です。


🪡 鍼での基本操作:


技法

内容

主な目的

捻転補法

ゆっくり刺入し、時計回りで軽く回す

氣を集め、充実させる

捻転瀉法

素早く刺入し、反時計回りで強く抜く

氣を散らし、抜く

提插補法

ゆっくり深く刺し、そっと戻す

氣を引き込む

提插瀉法

速く刺して速く引く

邪気を抜き去る


🧼 手技・お灸での補瀉:


  • お灸の補法:温灸・知熱灸などで陽気を補う

  • 吸玉や刺絡の瀉法:血瘀や熱の過剰を抜く

  • 手掌や指圧のリズム:ゆっくり→補、早く→瀉


☯️ 鍼仙人の手業:


操作よりも“意図”が氣を動かす。ゆえに、補瀉は「手の技術」であると同時に「心の構え」でもある。


【4. “気の聴診器”としての鍼灸師の感性】


補瀉を極めるとは、技を磨くことではありません。むしろ、相手の氣を“聴く耳”を持てるかどうかが問われます。


  • 脈がどう変化するか

  • 呼吸がどう整ってくるか

  • 手足の温度や感情の動き

  • 施術者自身の体感・気の流れ


これらのすべてが、補瀉の方向性を導いてくれます。


☯️ 鍼仙人の哲学:


補瀉は“技”ではなく“道”である。相手の命の響きに耳を澄ませ、そっと氣を整える。それが鍼灸の本質だ。


【5. 補瀉ができると、施術の深みが変わる】


ツボの選び方だけでなく、「どのように刺すか」が変わると、同じ経穴でも効果はまるで別物になります。


  • 足三里で「補」→ 胃腸強化・免疫UP

  • 足三里で「瀉」→ 腹部の過剰な緊張を抜く

  • 太衝で「補」→ 肝の養生・穏やかさへ

  • 太衝で「瀉」→ ストレス過多・怒りの解放へ


🪄 補瀉を意識した施術は、単なる対症療法ではなく“調和療法”となる。



🔚まとめ:氣の声に、手で応える


補瀉とは、氣を動かし、整え、還すための手段。

治すためではなく、氣の流れを整えることで、身体自身が治る力を思い出す――それが、鍼灸という医学の“哲学”です。


次回は「精神・情緒に対する鍼灸治療の可能性」について解説していきます。心のゆらぎ、感情の波。それらをどのように鍼灸で整えていくのか?を掘り下げていきます。



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『鍼仙人』院長 高山 昌大

施術歴16年/87,000人以上の施術実績。

プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。

鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。鍼灸・柔整・構造医学・東洋医学をはじめとする幅広い知識と手技を融合。

「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。


🟡 典拠(古典より):


《素問・調経論》:「虚則補之、実則瀉之」

《霊枢・九鍼十二原篇》:「補瀉者、以調陰陽之虚実也」

《難経・三十一難》:「補者、迎之也;瀉者、疾之也」


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