vol.98【素問】病邪の伝変ルート〜内から外へ、外から内へ〜 — 病は止まらない。だからこそ、流れを読む —
- - 鍼仙人 - 高山 昌大
- 3月25日
- 読了時間: 6分
更新日:3月27日
東洋医学の特徴の一つは、「病気を“静”ではなく“動”で捉える」ことです。つまり、“症状”をその場で固定して見るのではなく、病がどこから来て、どこへ向かっているのかという“流れ”を観察する。
それが、病邪の「伝変(でんぺん)」という考え方です。“病は動く”――この東洋的視点は、現代医療が見逃しがちな“つながり”を捉える強力な鍵になります。
【1. 伝変とは何か?】
伝変とは、病邪が体内を移動・変化していく過程のこと。“伝”は「場所の移動」、“変”は「性質の変化」を意味します。
たとえば――
・風邪が肩→背中→腰へと「伝わる」
・表面の冷えが内臓の炎症へと「変わる」
つまり、今どこに病があるのか、そして次にどこへ行くのかを診る力が、東洋医学の診断と治療の要となるのです。
☯️ 鍼仙人の捉え方:
病とは、流れるもの。だからこそ、“今ここ”だけを診るのではなく、“動き”を読む。
【2. 外→内へ:外感の侵入ルート】
風邪や寒邪などの外因(六淫)は、体表から入り、奥へと侵入していきます。
衛分(体表・気の層)
気分(経絡・気血の流れ)
營分(血液・栄養層)
血分(深層・内臓のレベル)
この4段階のルートは「衛気営血弁証(えききえいけつべんしょう)」として知られ、病邪が進行するルートを表します。
たとえば:風邪(初期)→ 発熱・悪寒・頭痛(衛分) → のどの腫れ・咳(気分) → 高熱・不眠・皮疹(営分) → 出血傾向・精神錯乱(血分)
【3. 内→外へ:内因の発散・転化】
一方、感情やストレスなどの内因(七情)は、体の深部から病を生み、それが外に現れることで「皮膚症状」「腹痛」「筋肉の硬直」などにつながります。
怒りが肝を傷め、気の上昇 → 頭痛・のぼせ・顔の赤み
思いすぎて脾が傷つき、気が滞る → 胃もたれ・口内炎
恐れや驚きで腎や心が乱れる → 動悸・不眠・排尿異常
このように、深い内臓の乱れが“表”に現れるのも伝変です。
【4. 横伝・竄入・反伝:予測不能な邪の動き】
東洋医学では、単なる上下の流れだけでなく、“横方向の伝わり方”や“反対方向への侵入”も想定します。
横伝:隣接する臓腑への波及(肝→脾など)
竄入(ざんにゅう):邪が予期せぬ場所へ飛び込む(例:風邪→突然の心痛)
反伝:内邪が外へ出ようと暴れる(逆上せ、皮膚炎など)
☯️ 鍼仙人はこう観る:
病は直線ではなく、螺旋のように進む。一方向にしか治療できない者は、本当の流れを見失う。
【5. 伝変を読む=施術の地図を描くこと】
鍼灸の現場では、今の症状に加え「病の移動歴」や「体感の推移」を丁寧に聴くことで、どのルートに邪気が伝わったのかを見極めます。
🪡 伝変を前提にした治療例:
初期の肩こり(風寒邪) → 太陽経(小腸・膀胱経)を中心に
胃腸症状に続く腰痛 → 脾→腎への伝変と考え、補腎補脾の手法を
頭痛→不眠→動悸と進んだ場合 → 肝→心への伝変に対し、疏肝・安神を優先
このように、「今の症状が最終地点なのか、通過点なのか」を見極めることが、本当に“届く”施術の分かれ道になるのです。
🔚まとめ:流れを診る者が、病の本質を掴む
現代医療は“部位”を診る。東洋医学は“流れ”を診る。
症状を点ではなく線として、さらには面・立体として捉える。それが、東洋の診断法の核心です。
病は動く。だから、医も動かねばならない。それが鍼仙人が伝えたい「動的な医術の思想」です。
次回は「脈診とは何か?〜手首の奥にある“生き様”〜」について解説していきます。古代から続く“触れる診察”が、なぜそこまで人を見抜けるのか?その秘密に迫ります。
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『鍼仙人』院長 高山 昌大
施術歴16年/87,000人以上の施術実績。
プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。
鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。鍼灸・柔整・構造医学・東洋医学をはじめとする幅広い知識と手技を融合。
「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。
🟡 典拠(古典より):
《素問・至真要大論》:「邪之所凑、其気必虚、伝而不休」
《霊枢・病伝篇》:「病有五変、伝变之由、当察其序」
《難経・六十九難》:「邪之傳也、有次第、有不次之異」

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