vol.95【素問】六淫(風・寒・暑・湿・燥・火)の病理と応用— 気候が変われば、体も心も変わる —
- - 鍼仙人 - 高山 昌大
- 3月24日
- 読了時間: 6分
更新日:3月27日
私たちは「自然」という大きな生命圏の中に生きています。雨が降れば寒くなり、風が吹けば乾燥する――。このような気候や環境の変化が病気の引き金になるという視点、それが東洋医学における「外因」の考え方です。
そして、外因は6つに分類されます。それが「六淫(りくいん)」です。風・寒・暑・湿・燥・火という自然界の“氣”が、体のバリアをすり抜けると、様々な症状として現れます。
【1. 風邪(ふうじゃ):あらゆる病の“はじまり”】
風は「百病の長」とも呼ばれ、最も侵入しやすく、また他の邪気を引き連れる性質を持っています。
特徴:動きが速く、上部に現れやすい
主な症状:悪寒、頭痛、くしゃみ、痒み、ふらつき
季節:春(特に季節の変わり目)
☯️ 鍼仙人の視点:
風邪は“きっかけ”の邪。どんな病も、まずは風から始まる。治療の第一歩は、風を追い出すことにある。
【2. 寒邪(かんじゃ):冷えは巡りを止める】
寒は「収引・凝滞」の性質を持ちます。つまり、縮こまらせて、流れを止めるのです。
特徴:痛みを伴う、温めると軽減する
主な症状:冷え、関節痛、腹痛、下痢、月経痛
季節:冬
※寒邪による痛みは“動かすと悪化し、温めると楽になる”のが特徴です。
【3. 暑邪(しょじゃ):熱中症や夏バテの根本原因】
暑は「陽邪」に分類され、極めて強い熱性を持っています。
特徴:上昇性、消耗性、汗と関係が深い
主な症状:発熱、のぼせ、多汗、口渇、疲労感
季節:盛夏(真夏)
※“暑”に“湿”が加わると、さらに体調は悪化しやすくなります。
【4. 湿邪(しつじゃ):重くて、しつこく、取りにくい】
湿は「重濁・粘滞」の性質を持ち、体内に留まりやすく、慢性化しやすい邪です。
特徴:体の重だるさ、水分代謝異常
主な症状:むくみ、関節の鈍痛、下痢、めまい、肌トラブル
季節:梅雨・長雨の時期
☯️ 鍼仙人はこう考える:
湿は“とどこおり”の邪。時間をかけてじわじわと身体を蝕む。鍼灸では排水のごとく、内から湿を抜く技が求められる。
【5. 燥邪(そうじゃ):乾きが生む、内側からの破綻】
燥は「乾燥」の邪。主に秋に多く、粘膜や皮膚から潤いを奪っていきます。
特徴:乾燥によるトラブル、上半身に出やすい
主な症状:空咳、肌の乾燥、目・鼻・喉の渇き、便秘
季節:秋
※陰虚体質の方は特に要注意。燥邪と相まって、症状が強く出やすいです。
【6. 火邪(かじゃ):熱の極み、内からも外からも】
火邪は、熱が高まりすぎた状態。もはや生理的な“陽”を越えて、病理的な“炎”となります。
特徴:炎症、赤み、腫れ、精神過敏
主な症状:高熱、口内炎、のぼせ、イライラ、便秘、鼻血
季節:夏〜初秋
☯️ 鍼仙人の視点:
火邪は心を焼く。治療では「清熱(せいねつ)」と「心神安定(しんしんあんてい)」が鍵となる。
【7. 六淫の応用:現代にどう活かすか】
六淫はただの気候の話ではありません。エアコン、スマホ、過食、冷たい飲み物、ビル風――。現代の生活は、人工的な六淫だらけです。
冷房の効きすぎ → 寒邪
湿度の高い室内 → 湿邪
紫外線やストレス → 火邪・燥邪
つまり六淫とは、“自然”だけでなく、“環境ストレスの象徴”でもあるのです。
鍼仙人はこう観る:
六淫を読む力とは、「季節を読む力」であり、「生活を調える力」。陰陽のバランスを崩す邪気の流れを察知し、先に整える。それが未病治の本質。
🔚まとめ:季節と身体はつながっている
風が吹けば、気が動き、雨が降れば、水が巡り、陽が照れば、血が駆け、寒ければ、氣は内にこもる。
自然の氣の変化は、そのまま人の氣の変化でもある。六淫を理解することは、「自然とつながって生きる知恵」を取り戻すことに他なりません。
次回は「七情:怒・喜・思・悲・恐・驚・憂と五臓の関係」について解説していきます。感情と内臓がどうつながっているのか?を東洋医学の視点から深掘りしていきましょう。
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『鍼仙人』院長 高山 昌大施術歴16年/87,000人以上の施術実績。プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。鍼灸・柔整・構造医学・東洋医学をはじめとする幅広い知識と手技を融合。「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。
🟡 典拠(古典より):
《素問・陰陽応象大論》:「風、寒、暑、湿、燥、火は外因なり」
《素問・至真要大論》:「邪之所凑,其気必虚」
《霊枢・百病始生篇》:「風者,善行而数变也」
《難経・三十六難》:「寒熱虚実,皆因外感内傷」

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