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vol.96【素問】七情:怒・喜・思・悲・恐・驚・憂と五臓の関係— 感情は、内臓で感じている —

  • 執筆者の写真: - 鍼仙人 - 高山 昌大
    - 鍼仙人 - 高山 昌大
  • 3月25日
  • 読了時間: 5分

更新日:3月27日


東洋医学では、「心で感じる感情」は、五臓六腑と密接に結びついていると考えます。私たちは怒ったとき肝が反応し、悲しむと肺が沈み、恐れれば腎が震える。つまり、“情”は“臓”に宿る。

この思想をもとに構築されたのが「七情(しちじょう)」と呼ばれる感情病理学です。現代医学では見落とされがちな“情緒の内臓反応”を、東洋医学は驚くほど精緻に捉えてきました。



【1. 七情とは何か?】


七情とは、以下の七つの情緒的な反応です。

  • 怒(いかり)

  • 喜(よろこび)

  • 思(おもい)

  • 悲(かなしい)

  • 恐(おそれ)

  • 驚(おどろき)

  • 憂(うれい)

これらは本来、生きていれば当然の反応。しかし「過ぎる」と内臓を傷つけ、気血の巡りを乱し、病へとつながります。


☯️ 鍼仙人の観点:


七情は“心の天気”である。晴れ、曇り、嵐――それを整えることが、真の内臓ケアとなる。

【2. 七情と五臓の対応関係】


感情

対応する臓

作用

病理的影響(過剰時)

気を昇らせ、動かす

頭痛・めまい・月経不順・筋緊張

気を緩め、和らげる

動悸・不眠・集中力低下

気を集め、内へ引き込む

胃もたれ・食欲不振・疲れやすさ

悲・憂

気を収め、下へ向ける

呼吸の浅さ・肌トラブル・免疫低下

気を沈め、隠す

足の力が抜ける・頻尿・冷え

心腎

気を乱し、飛び散らせる

情緒不安・不整脈・神経過敏


【3. 感情が過ぎると、なぜ臓器が傷つくのか?】


たとえば「怒り」は肝の気を突き上げ、「悲しみ」は肺の気を消耗し、「恐れ」は腎の精を揺るがす。

つまり、情動のエネルギーが内臓の“機能性”に強く干渉するのです。これは単なる精神論ではなく、実際に現れる症状として確認されています。


鍼仙人はここを重視する:


感情は「氣の流れ」である。氣が滞れば、情も溜まり、身体も歪む。ゆえに、感情を整えることは氣を整えることと同義。

【4. 鍼灸で感情を調整するとはどういうことか?】


感情に直接効くツボがあるわけではありません。しかし、臓腑と経絡を調整することで、感情の波も整っていくのです。


🪡 代表的な情緒安定ツボ:


  • 太衝(たいしょう)…怒りによる肝気の高ぶりを鎮める

  • 神門(しんもん)…心の安定と不眠の解消に

  • 三陰交(さんいんこう)…女性特有の情緒の不安定に

  • 内関(ないかん)…不安や動悸、ストレスによる胃腸の乱れに


加えて、頭鍼(頭部への刺鍼)や耳鍼は中枢神経を穏やかに整え、情緒を安定させる上で非常に有効です。



【5. 現代人の“隠れ七情”にどう向き合うか】


現代では、感情を出さずに抱え込む人が圧倒的に多いです。怒れない人、泣けない人、喜びを感じにくい人…。これらは「未病」の状態とも言えます。


☯️ 鍼仙人の捉え方:


感情の通り道がふさがると、氣の通り道もふさがれる。感情を“感じる”こと自体が、治癒の第一歩なのだ。

鍼灸は、そうした「未表現の感情」までも包み込み、心と臓腑をつなぎ直すことができる数少ない医術のひとつです。



🔚まとめ:感情は心だけでなく、内臓の声でもある


東洋医学において、「治す」とは感情に耳を傾けることでもあります。「怒ってはいけない」ではなく、「怒りすぎない身体をつくる」。それが七情の病理に対する東洋的な優しさなのです。


次回は「正気と邪気の戦い〜免疫と未病の視点〜」について解説していきます。病に打ち勝つ身体とはどのような状態なのか、気と邪のせめぎ合いから紐解いていきます。


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『鍼仙人』院長 高山 昌大施術歴16年/87,000人以上の施術実績。プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。鍼灸・柔整・構造医学・東洋医学をはじめとする幅広い知識と手技を融合。「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。


🟡 典拠(古典より):

《素問・陰陽応象大論》:「怒傷肝、喜傷心、思傷脾、憂傷肺、恐傷腎」

《素問・移精変気論》:「百病生于気也」

《霊枢・百病始生篇》:「五臓皆有欲、喜、怒、悲、憂、恐、驚」



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