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vol.288【傷寒論】太陰病の氣象:虚と冷えの奥にある“芯の弱り”
太陰病──それは、氣が静かに沈み、熱もなく、目立たない。 だがその静けさの中にこそ、真の危機が潜んでいる。 今回は、太陰病という“内なる虚冷”の氣象を、鍼灸の臨床視点で深く掘り下げる。 【1. 太陰とは「氣の根っこ」】 太陰=脾と肺の組み合わせ。 脾:氣血を生む「土」...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 4分


vol.285【傷寒論】陽明経と胃・大腸の氣の読み方
陽明病の中心にあるのは、消化器という“氣の炉”の異変である。 胃と大腸は「氣血津液の精製と運搬」という生命活動の根幹を担い、陽明経はその氣の大動脈とも言える経絡だ。 本稿では、陽明経の構造とその氣の流れ方を、現代の臨床鍼灸に活かす視点で解説する。 【1....

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 4分


vol.284【傷寒論】陽明病の氣象:熱の内攻と実証の見極め
氣が内にこもる──そのとき、身体は“戦いの熱”を帯びはじめる。 陽明病とは、太陽病の次のステージにあたる、熱実証の代表格。 しかしこの「熱」とは単なる発熱ではない。氣が過剰に集まり、外に出られず、内で燃え続けることで起こる“氣の閉塞と鬱熱”の状態である。...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 4分


vol.278【傷寒論】六経分類を“氣の流れ”で読み解く
「病はどこから生まれ、どこへ向かうのか?」──これは、鍼灸師にとって最も根源的な問いかけである。東洋医学の中で、その“流れ”をもっとも美しく体系化したのが『傷寒論』における「六経分類」だ。 六つの経とは、ただの分類やステージではない。それは氣の流れ、滞り、反転を描き出す、人...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 5分


vol.275【難経第八十難】氣の調和は心身をつなぐ〜“和する氣”の臨床哲学〜
“氣が乱れると、心が揺れる。” “氣が整えば、身体は静かになる。” この感覚に、どれだけの施術者が本気で向き合っているだろうか。 『難経』第八十難では、氣が“内”と“外”の調和を保つものであること、 その氣が乱れると“心身分離”が生じることが語られている。...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 5分


vol.273【難経第七十八難】脈の強弱は、病の深浅を示す〜“鼓動”から読む身体の物語〜
手を当てたとき、何を感じるか——。 それが、鍼灸家としての“深さ”を決める。 『難経』第七十八難では、脈の強弱(浮沈・大小・緩急)が いかに病の深浅・軽重を示すかを、明確に説いている。 脈は単なる“拍動”ではない。 それは、氣血の声であり、臓腑の息吹であり、...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 5分


vol.271【難経第七十六難】精・氣・神は一体か?〜命の三位一体と“内なる宇宙”〜
目に見えぬ「精」。動き続ける「氣」。輝きを放つ「神」。 それぞれ別々のもののようでいて、 実は一つの命を構成する三本柱。 『難経』第七十六難では、 この“精・氣・神”の関係性について、 哲学的かつ臨床的な観点から語られている。...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.264【難経第六十九難】子母補瀉の原則とは?〜氣の親子関係と治療の理
「なぜ、肝の虚に腎を補うのか?」「心の実に脾を瀉すのか?」 そんな疑問に、古典は明快に答える。 『難経』第六十九難。 それは、五行における“氣の親子関係”に触れた一節。 “虚すれば母を補い、実すれば子を瀉す”—— この原則が、私たちの施術の奥行きを深めてくれる。...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 6分


vol.263【難経第六十八難】氣滞とは何か?〜流れを失った命の景色〜
氣滞とは、氣が“流れない”状態──だがそれは、ただの「停滞」ではない。 動こうとして動けない“内なる葛藤”の表れ である。 【1. 氣滞とは「動の不全」】 氣は本来、常に動いている。その動きが失われたとき、それは痛み・張り・詰まりといった形で現れる。 胸が苦しい 喉が詰まる...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 3分


vol.227【難経第三十二難】診断の四つの道〜望聞問切の意味と重み〜
診断とは、どう始まるのか。 患者が一言も語らずとも、術者の目と耳と手は、すでに多くを語りかけられている。 『難経』第三十二難において語られるのは、東洋医学の診断の基本「四診」—— 望(視る)・聞(聴く/嗅ぐ)・問(問う)・切(触れる)という、4つの観察法である。...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 5分


vol.226【難経第三十一難】“一脈の病”とは何か?〜診断の単位と全体観〜
たったひとつの脈の異常。それを、どう診るか。 『難経』第三十一難は、一本の脈に病が現れたとき、それを「局所の異常」と見るべきか、それとも「全身状態の象徴」として捉えるべきか、という問いを提示する。 これは単に“脈の病変”をどう分類するかではない。...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.225【難経第三十難】なぜ五臓六腑は五十八脈に分かれるのか?〜氣の分布と脈象解剖〜
脈は一本ではない——。 そう聞いて、驚くだろうか。 『難経』第三十難は、「五臓六腑にはそれぞれ脈があり、総じて五十八脈に分かれる」と説く。 それは単なる数の問題ではなく、 氣の分布構造そのもの を示す“解剖図”なのである。 【1. 五臓六腑と脈の関係とは?】...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.223【難経第二十八難】“脈の虚実”は何を診るのか?〜手応えで読む氣血の力〜
脈を触れたとき、あなたは何を感じ取っているだろうか? 「強い」「弱い」「弾む」「沈む」……脈には多くの情報が詰まっている。 中でも『難経』第二十八難が示す「虚実」は、氣血の盛衰を直観的に測る診断の要だ。 では“虚の脈”とは何か? “実の脈”とはどう違うのか?...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.222【難経第二十七難】脈の「動く」と「止まる」は何を意味する?〜氣血の瞬間診断〜
患者の脈に触れたその瞬間、「あれ?」と違和感を抱いたことはないだろうか。 一定のリズムで流れるはずの脈が、突如として止まり、数息のあいだ動かなくなる。あるいは、妙にせかせかと速く、浮ついたように感じられる脈。 こうした“瞬間的な変化”に、術者はどう向き合うべきなのか?...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.221【難経第二十六難】氣の多少はどこで測る?〜診断と脈の深さ〜
"氣"という目に見えない存在を、私たちはどうやって捉えるのか。東洋医学の診断法において、氣の多少は重要な指標のひとつ。しかし、それを“どう測るか”という問いには、現代でもなお答えが求められている。『難経』では、氣の多少は"脈の深浅"によって測るべきだと説かれている——。今回...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.220【難経二十五難】五臓の氣はどこで交わる?〜“會”の概念と中焦の秘密〜
東洋医学の本質は、“氣の流れ”にある。 しかし、その氣はただ巡るのではなく、ある場所で交わり、結び合い、再び散っていく。 その「交わりの場」こそが──**“會(え)”**である。 難経二十五難では、この「氣の會」について語られる。それは、五臓の氣が出会い、交わり、融合する中...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.219【難経二十四難】氣逆とは何か?〜上衝・咳・げっぷ・吐き気のメカニズム〜
氣は上に昇り、下に降り、身体を巡る。だがその流れが逆転したとき──身体にはさまざまな“逆のサイン”が現れる。 咳やげっぷ 吐き気やしゃっくり のぼせや頭痛 胃の張りや喉の違和感 東洋医学では、これらを総じて「氣逆(きぎゃく)」と呼ぶ。...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.218【難経二十三難】氣はどう全身を巡るのか?〜営氣・衛氣・経絡の流れ〜
氣は、どこから来て、どこへ向かうのか──。 東洋医学の核心とも言えるこの問いに、難経第二十三難は「氣の運行」について明快に示している。 営氣(えいき)と衛氣(えき)。そしてそれを運ぶ経絡という“氣の道”。 本稿では、氣の種類と役割、そして全身をどう巡っているのかを、臨床家の...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.217【難経二十二難】胃は“水穀の海”?
〜氣血の生成における“胃”の位置づけ〜 「脾胃は氣血の源である」 この言葉は、東洋医学を学ぶ者であれば一度は目にしたことがあるだろう。 では、“胃”の役割とは一体何か? 難経第二十二難は、「胃は水穀の海なり」と語る。そこには、東洋医学における“氣の生成メカニズム”が隠されて...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.216【難経二十一難】“脾は倉廩の官”──氣血の源をどう育むか?
食べること、吸収すること──それは単なる栄養摂取ではない。東洋医学では、 “氣血の生成”は脾から始まる と考える。 難経第二十一難には、脾は「倉廩の官」、すなわち“貯蔵・供給”の中枢と記される。本稿では、氣血生成の原点としての「脾」の働きを掘り下げていく。 【1....

- 鍼仙人 - 高山 昌大
読了時間: 4分
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