vol.273【難経第七十八難】脈の強弱は、病の深浅を示す〜“鼓動”から読む身体の物語〜
- - 鍼仙人 - 高山 昌大
- 4月2日
- 読了時間: 5分
手を当てたとき、何を感じるか——。
それが、鍼灸家としての“深さ”を決める。
『難経』第七十八難では、脈の強弱(浮沈・大小・緩急)が いかに病の深浅・軽重を示すかを、明確に説いている。
脈は単なる“拍動”ではない。 それは、氣血の声であり、臓腑の息吹であり、 何よりも、その人の“生き方”すら語るものである。
今回は、脈診の本質に迫り、 “何を感じ、どう読み解くか”という、感性と診断力の関係を探っていこう。
【1. 難経の原文:脈の強弱は病の所在を示す】
第七十八難は、こう述べる:
脈之大小浮沈、以候病之浅深也。
すなわち、脈の“強弱”や“深浅”は、 病の“重さ”や“深さ”を映し出す鏡である。
浮き上がる脈=表にある病沈み込む脈=裏にある病
この感覚を、“読む”のではなく、“聴く”ように受け取ること。 それが、真の脈診の出発点である。
【2. 脈を「読む」のではなく、「聴く」】
多くの人が、脈を“情報”として捉えがちだが、 本来の脈診とは、“対話”であり、“共鳴”である。
・緊張している脈には、呼吸を合わせてゆるめる
・早すぎる脈には、ゆっくりと触れる
・浮いた脈には、深く包み込むように添える
つまり、脈は“反応”であり、 それにどう寄り添うかが、臨床家の力量を決める。
【3. 脈の浮沈は「病の階層地図」】
・浮脈 → 皮膚・筋肉・経絡の浅い問題 ・中脈 → 臓腑と経絡のバランスが揺れている状態 ・沈脈 → 臓器の深層、氣血の根本に問題がある
つまり、脈の浮き沈みは、 病の「階層」を教えてくれるナビゲーション。
ただ強いか弱いか、速いか遅いかではなく、 “どこで響いているか”を感じることが肝要なのだ。
【4. 鍼灸とは、“脈の奥にあるもの”を診る技術】
脈の状態は、ただの指標ではない。 それは、“その人の在り方”そのものを表している。
・内臓の疲れ
・感情の抑圧
・氣の停滞
すべてが、鼓動というリズムの中に現れる。
だからこそ、施術とは“脈の奥”を読み解く行為であり、 ただ脈を診るのではなく、“命の鼓動”を感じることなのだ。
【5. 脈診は、命の“音楽”を聴くようなもの】
どんなにデータが揃っていても、 触れてこそ見えるものがある。
その人の“生きてきた時間”が、 いま指先に流れている。
施術とは、 その音楽に調和するように、 静かに、そっと、一音を添える作業。
☯️ 鍼仙人の哲学:脈は、身体が奏でる旋律である
鍼仙人はこう観る: 「脈とは、鼓動という名の“詩”だ。 強く読もうとせず、静かに聴け。」
手のひらで語られる生命の物語を、 どう受け取るかで、施術の深さが決まる。
『難経』第七十八難が語るのは、 “感じる力”の大切さ。
脈に現れる病の深浅を、 単なる情報で終わらせず、 命の音として受け取る。
鍼仙人はこう考える:
脈を診るとは、身体の“物語”を聴くこと。
——その物語に、そっと手を添える。
🔚まとめ
・脈の浮沈や大小は、病の“深さ”や“重さ”を教えてくれる
・脈診は“触れる技術”ではなく、“聴く技術”である
・脈とは命のリズムであり、施術とはその旋律に寄り添うこと
今日から活かせる一言:"聴く指があれば、言葉なき声も届いてくる。"
📘次回予告
次回vol.274では、 第七十九難の「刺鍼深浅と病位の一致」について深掘りし、 “刺す深さ”の本質に迫っていきます。
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『鍼仙人』院長 高山 昌大
施術歴16年/87,000人以上の施術実績。
プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。脈診鍼灸・構造調整・経絡診断・触診技法・感覚医学などを融合し、“聴く技”の施術を追求。「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。
🟡典拠
『難経』第七十八難

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