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vol.133【霊枢】五臓別の治療戦略:肝虚・脾虚・腎虚をどう診るか— “虚”の診立ては、臓腑の個性を読むことから始まる —
「疲れやすい」「冷える」「眠れない」――同じような“虚”の症状でも、その原因が 肝・脾・腎 のどこにあるかで、治療のアプローチはまったく異なります。 霊枢では、各臓の機能と虚したときの病態を明確に分けて述べており、それぞれの“氣の偏り”に応じて治療法を変えるべきだと説いてい...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.132【霊枢】虚実・寒熱・表裏・陰陽で治療方針を立てる— 病を観るとは、陰陽の座標に命を置くこと —
「この症状は、冷えからか?熱からか?」「身体の外の問題か?内から起こっているのか?」「氣が足りないのか?滞っているのか?」 これらを判断する基準が、東洋医学の**「八綱弁証(はっこうべんしょう)」**です。 霊枢では、それぞれの綱目が 病の方向性や本質を見極めるための羅針盤...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.131【霊枢】舌診・腹診と五臓のつながり— 舌と腹は、“内臓の声”を映すスクリーン —
患者さんが診察室に入ってきた瞬間、顔色・声・歩き方、そして“舌”と“お腹”。 これらに目を向け、手を添えることで、 五臓の状態や氣血の偏りが手に取るように見えてくる―― それが、東洋医学の“望診・切診”です。 霊枢では、 舌と腹を通じた五臓の状態把握...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.130【霊枢】脈診とは何か?〜手首の奥にある“生き様”〜— 脈は“氣の声”。聴くのではなく、“感じ取る”もの —
現代医療では、脈拍は「何回打っているか」という数値で捉えます。しかし、東洋医学における“脈診(みゃくしん)”はそれとはまったく異なるものです。 それは、 氣の波を聴く行為 。手首に触れ、流れる脈の質・力・速度・浮き沈み――そこから、...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.129【霊枢】病邪の伝変ルート〜内から外へ、外から内へ〜— 病は“氣の流れ”とともに移動する —
「風邪をひいたら、肩がこった」「ストレスがたまったら、胃が痛くなった」「不安で寝られず、やがて腰が痛くなった」 こうした現象は、東洋医学においては“氣の乱れの伝変(でんぺん)”――つまり 病邪が身体の中をどう移動したか によって説明されます。...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.128【霊枢】正氣と邪氣の戦い〜免疫と未病の視点〜— 身体は、日々“氣の戦場”となっている —
風邪をひく、花粉症になる、疲れると発熱する…。これらは、外からやってくる“邪氣”と、身体を守る“正氣”との せめぎ合い によって起こる現象です。 『霊枢』はこう語ります。 「正氣存内、邪不可干。」(素問・刺法論) → 身体の内に正しい氣が満ちていれば、邪氣は侵入できない。...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.127【霊枢】氣の生まれる場所とは?〜脾胃・腎・肺に宿る氣の生成法則〜— 氣は、臓腑が共鳴して生まれる“いのちのハーモニー” —
東洋医学のすべては「氣」に始まり、「氣」に還る。そして、氣が“どこで・どうやって”生まれるのか――この問いにこそ、治療の核心が眠っています。 霊枢はこの問いに対し、非常に精緻な答えを提示しています。それは、氣は単一の臓器で生まれるのではなく、 脾胃(消化) 肺(呼吸)...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.126【霊枢】氣とは何か?〜霊枢が描く“生命の本質”〜— “氣”とは、いのちの形なき設計図である —
「氣って何ですか?」 これは東洋医学において、最も多く問われ、最も深い問いです。 氣は「元気」「やる氣」「氣持ち」「氣配」など、私たちの日常会話の中に溶け込みながら、その正体はあいまいなまま。 けれど――『霊枢』は、その氣の正体に正面から向き合い、“氣こそが生命の核心である...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.125【霊枢】骨格と氣の関係とは?〜“構造”から読む東洋医学〜— 骨は氣の塔。姿勢は氣の調和を映す鏡である —
「骨がズレているから不調になる」「姿勢が悪いと内臓に負担がかかる」現代の整体や構造医学でもよく聞く言葉ですが、実はそれらは 東洋医学の核心にも通じている のです。 古典『霊枢』では、骨と氣の関係についてたびたび触れられており、骨格は単なる“物理的な支柱”ではなく、...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.124【霊枢】筋膜と経絡の一致とは?〜構造医学からみる東洋のライン〜— 筋膜は“氣の通り道”だった。科学と哲学の交差点へ —
「経絡って、結局どこを流れているの?」「筋膜と似てるって聞いたけど、本当?」そんな疑問に、東洋医学と構造医学の両視点から迫ります。 近年、“筋膜(fascia)”という組織が注目されているのはご存じの通り。筋肉だけでなく、内臓、神経、骨、皮膚――...

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vol.123【霊枢】奇経とは何か?〜八つの裏ルートと氣の奥行き〜— 奇経八脈は、氣の“奥行き”を生む裏の経路 —
東洋医学では、通常「十二正経」と呼ばれる主な氣のルート(経絡)が知られています。しかし――その裏で静かに流れながら、全身の氣を調和し、バランスを取る“もう一つの流れ”が存在します。 それが、 奇経八脈(きけいはちみゃく)...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.122【霊枢】刺絡とは何か?〜氣のうっ血を放つ東洋の放血術〜— 刺絡とは、氣の滞りを“血”から解放する術 —
どんなに巧みに氣を整えても、どうしても流れが“抜けない”ときがあります。 それは、 鬱血 熱毒 瘀血 経絡上の“しこり” として現れ、まるで氣が“血に閉じ込められた”かのよう。 そうした時、東洋医学は「刺絡(しらく)」という“抜く医術”を選びます。『霊枢』では、刺絡を「氣を...

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vol.121【霊枢】経筋とは何か?〜動きと痛みをつなぐ氣のライン〜— 経筋は、氣が肉体を纏った“動きの経絡”である —
経絡というと、内臓とつながる深い氣の流れを思い浮かべがちですが、実は『霊枢』にはもう一つの氣のライン――「経筋(けいきん)」という概念があります。 「手足の三陰三陽、皆有経筋、以束骨而利関節。」――すべての経には“筋”があり、それは骨を束ね、関節を動かす。 つまり経筋とは、...

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vol.120【霊枢】営氣と衛氣とは何か?〜氣の二重構造と昼夜のバランス〜— 陰と陽が、命の中をリレーする。それが氣の律動 —
東洋医学における“氣”とは、ただ一つのものではありません。『霊枢』では、氣の働きは大きく分けて「営氣(えいき)」と「衛氣(えき)」に分類されます。 繊細で内に潜り、血とともに身体を養う “営氣” 活動的で外を巡り、防衛し温める “衛氣”...

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vol.119【霊枢】五臓と感情の鍼灸とは?〜怒・悲・思・恐・喜を整える氣の視点〜— 感情は、氣の表情。鍼はその根に触れる哲学 —
人の感情が不安定なとき、鍼灸はどこまで役立てるのか?この問いに、古典『霊枢』は明確に答えています。 「五臓応情:肝は怒、心は喜、脾は思、肺は悲、腎は恐」――臓が動けば、情が動く。情が乱れれば、氣が乱れる。 つまり、感情と氣の状態は 一対のもの...

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vol.118【霊枢】原穴・兪穴・募穴の使い分け〜ツボの“臓腑アクセス法”〜— ツボとは、氣の扉。どの鍵で開けるかが、術者のセンス —
東洋医学では、五臓六腑に“氣でアクセスする”ためのツボが存在します。それが―― 原穴(げんけつ) 兪穴(ゆけつ) 募穴(ぼけつ) これらは単なるツボの名前ではなく、 氣の通り道をどう開くかの“鍵”の種類 です。 霊枢では、それぞれのツボが持つ役割、氣の深さ、臓腑とのつながり...

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vol.117【霊枢】五臓の刺鍼とは?〜臓腑別に変わる氣の操作〜— 鍼は、“五臓五色”に応じて氣の波を奏でる —
「五臓六腑を整える」と一口に言っても、それぞれの臓腑は 氣の質・応答・感情・流れ方がまったく違う 存在です。 古典『霊枢』では、 各臓腑に応じた刺し方 病の現れ方とツボの選び方 氣の動かし方の違いが丁寧に解説されています。 まさにこれは、 “五臓五様の氣との付き合い方”...

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vol.116【霊枢】虚実の刺法とは?〜氣の偏りを診て、補い、瀉す〜— 鍼は、氣のバランスを調律する“楽器”である —
東洋医学における診断の柱のひとつが、「虚実」の判断です。 虚=足りない氣 実=滞って余っている氣 この氣の偏りを見極め、 適切に“補う”か“瀉す”か を選ぶことが、鍼灸の成否を分けるカギ。 古典『霊枢』では、刺鍼の段階でこの虚実をどう診て、どう処理するかが詳細に語られていま...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.115【霊枢】氣至而有応とは?〜鍼灸師が感じる“響き”の正体〜— 氣が届き、身体が応える。それが“鍼の成立”である —
鍼灸を実践している人なら、一度は感じたことがあるはずです。ツボに鍼を打った瞬間、患者の身体がふっと緩む。氣が「トンッ」と走るような感覚。筋肉が吸い寄せられるように鍼を巻き込む。 それは、偶然でも、気のせいでもありません。古典『霊枢』は、それをこう表現します。...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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vol.114【霊枢】刺法五変とは?〜氣の舞を読み解く鍼の深さ〜— 鍼の一刺しは、氣を導く舞いである —
鍼灸の臨床で、「どこに打つか」「どのツボを使うか」はよく議論されます。しかし、それと同じくらい大切なのが――「どのように刺すか」という視点。 刺鍼には、深さ、角度、スピード、氣の導き方…数えきれない“刺し方の選択肢”が存在します。 古典『霊枢・刺法論』では、それを「...

- 鍼仙人 - 高山 昌大
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