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vol.115【霊枢】氣至而有応とは?〜鍼灸師が感じる“響き”の正体〜— 氣が届き、身体が応える。それが“鍼の成立”である —

  • 執筆者の写真: - 鍼仙人 - 高山 昌大
    - 鍼仙人 - 高山 昌大
  • 3月25日
  • 読了時間: 5分

更新日:3月26日

鍼灸を実践している人なら、一度は感じたことがあるはずです。ツボに鍼を打った瞬間、患者の身体がふっと緩む。氣が「トンッ」と走るような感覚。筋肉が吸い寄せられるように鍼を巻き込む。

それは、偶然でも、気のせいでもありません。古典『霊枢』は、それをこう表現します。


「氣至而有応、応而有效、此為得氣。」――氣が至り、身体が応え、それにより効く。これが“得氣(とっき)”である。


【1. “氣至而有応”とは何か?】


🟡《霊枢・本輸篇》において、「得氣(氣至)」は鍼灸の成立条件とされます。


「刺之道、氣至而有效。氣不至、無以為也。」

→ つまり、氣が届かなければ、どれだけ鍼を打っても“治療”にならない。

ここで言う「氣が至る」とは、


  • 経絡上の氣の流れに鍼が“共鳴する”

  • 患者の氣が反応する

  • 術者の“意”が氣を導く


このすべてが“重なる”ことで起こる現象です。



【2. 臨床での“氣の到達”とはどう感じるのか?】


氣至而有応=得氣は、術者と患者の両方に“感覚”として現れます。

術者側の感覚:


  • 鍼が「吸い込まれる」ような抵抗感

  • 指に“トンッ”とした氣の圧を感じる

  • 体の奥で反応が“波紋”のように広がる


患者側の感覚:


  • ズーンとした重さ・響き

  • 鍼から何かが「流れ出す」ような感覚

  • 指先や遠隔部位への伝播(氣の伝わり)


☯️ 鍼仙人の視点:


得氣とは、“氣の交差点”に触れたサイン。その瞬間、鍼は“物質”ではなく、“意識の共鳴体”に変わる。


【3. “氣が至る”鍼と、“氣が届かない”鍼の違い】


鍼の状態

結果

説明

氣が至る

身体が応える(緩む・反応が起こる)

経絡と響き、氣が流れる

氣が至らない

反応が鈍い・変化が出にくい

刺しても“ただの点刺激”で終わる


氣が届かない原因には、


  • 鍼の角度・深度・タイミングのズレ

  • 術者の“意識の浅さ”や“氣の集中”不足

  • 患者側の氣の閉塞(冷え・過緊張・瘀血)


などがあります。



【4. 得氣のために必要な“意と感覚”】


氣を“至らせる”ためには、技術だけではなく“術者の意識状態”が重要です。

鍼仙人の実践ポイント:


  • 呼吸を合わせる: 術者の呼吸が深いほど氣の導きがスムーズ

  • 一点集中の“間”: 鍼を置く瞬間、意識をツボに統一

  • 患者の“氣の扉”を開ける: 緊張を解くタッチ・言葉・間合いを大切にする

  • “打たずして刺す”: 手を添えるだけで氣が動く状態を目指す(鍉鍼的思想)


これらすべてが、氣至=得氣への鍵となります。


☯️ 鍼仙人の捉え方:


“効く鍼”は、「響く鍼」ではなく、「氣が届く鍼」。そのために必要なのは、“刺す”のではなく、“導く”という感性。


🔚まとめ:鍼灸とは“氣の共鳴をつくる技術”


鍼灸とは、ただの「刺激」ではありません。それは、術者の意識と氣が、患者の身体と“共鳴する瞬間”をつくる技術です。


  • 刺して得氣すれば、身体が応える

  • 応えた氣は、内臓や感情にまで波及する

  • そこから“本来の流れ”が再起動する


これが、霊枢が語る「氣至而有応」の本質です。


📘次回予告:次回は「虚実の刺法とは?〜氣の偏りを診て、補い、瀉す〜」をお届けします。“氣が多すぎる”のか“足りない”のか――霊枢が説く診断と補瀉の真髄に迫ります。


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“響いた瞬間、氣は目を覚ます。”


隠れ家のようなプライベートラウンジで、

氣の呼吸と身体の声を“鍼の一手”でつなぎます。



『鍼仙人』院長 高山 昌大

施術歴16年/87,000人以上の施術実績。

プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。

鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。鍼灸・柔整・構造医学・東洋医学をはじめとする幅広い知識と手技を融合。

「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。


🟡 典拠(古典より):

《霊枢・本輸篇》:「氣至而有效、此為得氣」

《霊枢・九鍼十二原篇》:「刺之道、氣至而有效、氣不至、無以為也」

《霊枢・営衛生会篇》:「氣之所在、應之而動」



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