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vol.121【霊枢】経筋とは何か?〜動きと痛みをつなぐ氣のライン〜— 経筋は、氣が肉体を纏った“動きの経絡”である —

  • 執筆者の写真: - 鍼仙人 - 高山 昌大
    - 鍼仙人 - 高山 昌大
  • 3月25日
  • 読了時間: 5分

更新日:3月26日

経絡というと、内臓とつながる深い氣の流れを思い浮かべがちですが、実は『霊枢』にはもう一つの氣のライン――「経筋(けいきん)」という概念があります。


「手足の三陰三陽、皆有経筋、以束骨而利関節。」――すべての経には“筋”があり、それは骨を束ね、関節を動かす。

つまり経筋とは、筋肉・腱・靭帯など身体の“動き”に関係する氣の流れなのです。経絡が“命を巡る氣”なら、経筋は“動きを巡る氣”。この視点こそ、現代の筋膜アプローチや構造医学に最も近い東洋医学の知見と言えるでしょう。


【1. 経筋とは?経絡の表層を流れる“動きの氣”】


🟡《霊枢・経筋篇》より:


「経筋者、皆附於骨、散於肌肉之間、…与骨節相連屬也。」

特徴

内容

氣の種類

陽的・動的・表層を流れる

流注

十二経脈に準ずる(十二経筋)

主な働き

関節の動き、筋膜の連携、身体バランスの維持

症状に現れる形

張り・こわばり・痛み・ひきつり・しびれ


経筋はツボよりも広範囲に反応し、筋・腱・筋膜のトラブルとリンクします。


☯️ 鍼仙人の捉え方:


経筋は、“氣の触覚”。身体の声がまず現れるのは、ここからである。


【2. 十二経筋と現代の筋膜との驚くべき一致】


経筋の走行は、現代の筋膜ライン(アナトミー・トレイン)と驚くほど一致します。


経筋

関連筋/筋膜ライン

主な反応部位

足太陽膀胱経筋

脊柱起立筋・ハムストリングス

背部緊張・坐骨神経痛

足陽明胃経筋

大腿四頭筋・前脛骨筋

膝痛・こむら返り

手太陰肺経筋

上腕二頭筋・橈骨筋群

肘痛・母指のしびれ

足少陰腎経筋

腸腰筋・骨盤底筋

腰痛・骨盤不安定

足厥陰肝経筋

内転筋群・腹斜筋

股関節痛・PMS・内腿の張り


→ 経筋=“氣で診る筋膜ライン”と考えると、臨床応用が一気に深まります。



【3. 経筋の異常と症状:痛み・可動制限・氣の滞り】


経筋は、以下のような症状の現場に最も早く反応します:


  • 張る・つる・引きつる(=氣の流れが滞る)

  • 重い・だるい・動かしにくい(=氣が沈滞)

  • 痛む・こわばる・制限される(=経筋拘急)


🟡《霊枢・経筋篇》でもこう記されています:



「其有寒氣之客於經筋者、則拘急而不収、甚者則折。」

☯️ 鍼仙人の診断眼:


経筋の緊張は“氣の異常反応”である。それを解けば、未病のうちに氣を整えることができる。

【4. 経筋への治療アプローチ:経絡とは違う“面”で診る鍼灸】


アプローチ

方法

特徴

経筋トリガー診

押圧・触察で緊張・硬結を確認

ツボではなく“面”や“帯”でとらえる

浅刺鍼+動作連動

経筋上に浅く鍼を入れ、動かす

PNFやモビリゼーションとの併用可

経筋灸

長条灸・線香灸で面を温める

筋膜層の滞りに有効

経筋ストレッチ

経筋の走行に沿った動作療法

例:胃経筋ストレッチ=前腿+下腿前面伸展


☯️ 鍼仙人の臨床観:


経絡は“氣の川”、経筋は“氣の道幅”。症状の出どころを探るには、この両方を観る眼が必要。


🔚まとめ:経筋は“氣と構造をつなぐ橋”


  • 経絡が“内臓と氣”をつなぐなら

  • 経筋は“身体の動きと氣”をつなぐ


鍼灸師が筋膜を診るということは、すなわち経筋を観るということ。身体の構造のゆがみに“氣の眼”を持つことが、現代鍼灸の進化形です。

📘次回予告:次回は「刺絡とは何か?〜氣のうっ血を放つ東洋の放血術〜」をお届けします。“氣の澱み”に触れたとき、どう抜くのか?霊枢が伝える放血の智慧を掘り下げます。




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“経筋に触れることは、身体の“声”に耳を澄ますこと。”


隠れ家のようなプライベートラウンジで、

構造と氣の流れをつなぐ施術をお届けしています。



『鍼仙人』院長 高山 昌大

施術歴16年/87,000人以上の施術実績。プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。

鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。鍼灸・柔整・構造医学・東洋医学をはじめとする幅広い知識と手技を融合。

「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。


🟡 典拠(古典より):

《霊枢・経筋篇》:「手足三陰三陽之経筋、皆附於骨、散於肌肉之間…」

《霊枢・邪客篇》:「氣結於筋、則拘急不収」

《霊枢・終始篇》:「其氣之過者、瀉之於経筋」


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