vol.62【学・健康】 側湾症①：構造の歪みが引き起こす、身体の連鎖 〜見た目だけじゃない、内臓・神経・循環系への影響〜
- - 鍼仙人 - 高山 昌大
- 3月23日
- 読了時間: 4分
更新日：3月26日
「側湾症（そくわんしょう）」とは、背骨が左右に湾曲し、ねじれを伴う状態を指します。 思春期の成長期に多く見られ、特に女性に発症しやすいことが知られていますが、 大人になってからも、加齢や筋力の低下、不良姿勢の積み重ねによって進行・再発することがあります。
単に“背中が曲がっている”というだけではなく、 身体全体のバランス、自律神経、呼吸機能、内臓の位置や働きにも密接に関わってくるため、 側湾症は“全身的な構造異常”として包括的に捉える必要があります。
【1. 側湾症の分類とメカニズム】
🔹 機能性側湾症： 筋肉のアンバランスや姿勢不良により、一時的に背骨が歪む状態。 柔軟性があり、早期対応で改善可能です。
🔹 構築性側湾症： 背骨の骨そのものが変形し、回旋（ねじれ）を伴う。 思春期特発性側湾症（AIS）や先天性の側湾症がこれにあたります。
いずれのケースでも、骨盤・肋骨・肩甲骨のアライメント（配置）が崩れ、 以下のような全身症状を引き起こします：
・呼吸の浅さ（胸郭の変形による肺活量低下）
・肩こり
・腰痛
・股関節痛
・胃腸の働きの低下（胃下垂・便秘など）
・冷えやむくみ、自律神経失調症状
【2. 東洋医学と構造医学の視点から見る側湾症】
東洋医学では、体の“中心軸”の乱れは「督脈（とくみゃく）」と関係し、 気の流れが滞ることで「気滞（きたい）」「血瘀（けつお）」「痰湿（たんしつ）」などの症状が現れると考えます。
また、背骨の歪みは“腎の気”を弱めるとも言われ、 慢性疲労・倦怠感・免疫力低下など、内側のエネルギーにも影響します。
構造医学では、脊柱・骨盤のねじれが筋膜や関節包に不均等な負荷を与え、 その連鎖が呼吸・内臓機能・姿勢制御にまで及ぶと説明されます。
つまり側湾症は、骨の問題だけでなく、 「内臓」「神経」「筋・筋膜」「血流」「気の流れ」すべてに波及する複合的な問題なのです。
【3. voyage.での対応に向けて】
側湾症を持つ方は、「見た目」だけではなく、 「疲れやすい」「左右差が気になる」「呼吸が浅い」といった“感じているけれど言語化できない不調”を抱えていることが多いです。
まずは構造的な歪みを正確に評価し、 必要に応じて鍼灸・整体・体幹トレーニングを組み合わせたオーダーメイド施術で、 心身の負担を軽減することが重要です。
次回は、voyage.式 側湾症への具体的アプローチを解説します。
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『鍼仙人』院長 高山 昌大
施術歴16年／87,000人以上の施術実績。
プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。
鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、
多岐にわたる国家資格を保有。
鍼灸・柔整・構造医学・東洋医学をはじめとする幅広い知識と手技を融合。
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