vol.93【素問】三焦とは何か? 〜東洋解剖学の真骨頂〜— 西洋には存在しない“臓”が、東洋にはある —
- - 鍼仙人 - 高山 昌大
- 3月24日
- 読了時間: 6分
更新日:3月27日
消化も免疫も、気の流れも…なぜ“三焦”が必要なのか?
「三焦って、どこにあるんですか?」
この質問を何度受けたかわかりません。西洋解剖学では見つからないのに、東洋医学では“六臓のひとつ”として堂々と語られる謎の存在。それが**三焦(さんしょう)**です。
では、実際に見えない「三焦」とは、一体どんな働きを持っているのでしょうか?そしてなぜ、それが“病気の根本”と深く関係しているのでしょう?
【1. 三焦とは「通路」である】
東洋医学では、三焦を“水道(すいどう)”=全身の気・水・津液の通り道”と捉えています。
上焦(じょうしょう):心・肺を含む胸部。霧のように水分を体表や粘膜に拡散。
中焦(ちゅうしょう):脾・胃などの消化器。水穀を精微に変え、気血を生む。
下焦(げしょう):腎・膀胱・小腸などの排泄器。老廃物を出し、精を貯える。
つまり、三焦は「消化・循環・排泄」を統合するシステム。臓器というよりも、“機能単位”や“空間概念”として存在しているのです。
☯️ 鍼仙人の捉え方:
三焦とは、目には見えないけれど、あらゆる気の流れが集まる“架け橋”。血管でもなくリンパでもない、「氣の通路」そのものが、三焦である。
【2. なぜ“三つ”に分かれるのか?】
三焦は、ただの通路ではありません。実はそこには明確な生理区分と治療戦略があるのです。
焦区分 | 対応部位 | 主な機能 | 治療的意義 |
上焦 | 胸部(肺・心) | 呼吸・発散・免疫・潤い | 咳・喘息・アレルギー |
中焦 | 胃脾周囲 | 消化・吸収・気血生産 | 胃もたれ・疲労・湿 |
下焦 | 骨盤内臓(腎・膀胱・腸) | 排泄・生殖・成長 | 冷え・頻尿・不妊・むくみ |
この“焦”という区分があるからこそ、東洋医学は症状を「場所」「機能」「気の流れ」から立体的に読み解くことができるのです。
【3. 三焦の乱れが、病気をつくる】
三焦は、「上中下の調和」が崩れることで病を引き起こします。
上焦が滞れば → 鼻詰まり、咳、動悸、不眠
中焦が滞れば → 胃腸不良、疲労、湿気、体の重だるさ
下焦が滞れば → 排尿異常、生殖トラブル、足腰の冷え
☯️ 鍼仙人の捉え方:
三焦の流れとは、「氣・水・精」のリズムである。そこが滞ると、全身のリズムも狂い出す。
また、現代人に多いのは「中焦の湿邪+下焦の冷え」の組み合わせ。つまり、消化器が弱り、排泄や代謝が悪くなるタイプです。
【4. 鍼灸で三焦を整えるツボと戦略】
三焦は経絡治療においても重要です。特に「三焦経(手の少陽三焦経)」という経絡は、耳・首・肩・腕の疾患によく使われます。
🪡 三焦に関わる代表的なツボ:
外関(がいかん)…気血の流れを巡らせ、上焦の解放に
陽池(ようち)…中焦の調整、ストレスや自律神経の安定に
足三里(あしさんり)…中焦から下焦までをつなぐ要穴
関元(かんげん)、腎兪(じんゆ)…下焦の根本を温め精を養う
特に「三焦は原気の所出(しょしゅつ)」とされるため、生命エネルギーを高める施術の中心に三焦があると言っても過言ではありません。
【5. 三焦とは“生命の空間”である】
三焦とは、目に見えないけれど確かに存在する、氣の巡る道、命が流れる空間。
西洋の解剖学が“構造”にフォーカスするなら、東洋医学は“空間と流れ”を読み解くのです。
だからこそ、鍼仙人はこう考えます:
「三焦を診るとは、“氣の地図”を読むこと」「三焦が通れば、上中下の氣がひとつに溶け、心身は統一される」
🔚まとめ:三焦が通れば、命は巡る
三焦は、現代医学には存在しない臓器。しかし、氣・血・水の“交通整理役”として、その存在は臨床上極めて大きな意味を持ちます。
目に見えないものにこそ、生命の真実がある。それが、東洋医学がたどり着いた一つの“答え”なのかもしれません。
📘次回:vol.94 三因学説とは?〜外因・内因・不内外因の見分け方〜東洋医学の病因論は、「何が原因で人は病むのか?」という問いに対し、驚くほど明快で、そして奥深い答えをくれます。
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『鍼仙人』院長 高山 昌大
施術歴16年/87,000人以上の施術実績。
プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。
鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。鍼灸・柔整・構造医学・東洋医学をはじめとする幅広い知識と手技を融合。「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。
🟡 典拠(古典より):
《素問・霊蘭秘典論》:「三焦者,中瀆之腑,主決瀆,水道出焉」
《霊枢・五変篇》:「三焦者,水穀之道路,氣之所終始也」
《難経・三十六難》:「三焦者,決瀆之官,水道出焉」
《鍼灸大成・巻四》:「三焦主氣,通行三氣者也」

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