vol.84【素問】経絡の流注と治療効果〜“気の流れ”を読む眼を養う〜
- - 鍼仙人 - 高山 昌大
- 3月24日
- 読了時間: 6分
更新日:3月27日
東洋医学における“診る・治す”の中心にある概念――それが「経絡(けいらく)」です。
しかし、単に「経絡=気の通り道」とだけ理解していては、“どの経絡をどう使うか?”という臨床的な判断軸が曖昧になります。
そこで鍵となるのが、古典に記された「流注(るちゅう)」という視点。経絡の流れを“線”としてではなく、“時間・空間・症状との関係性”で読み取ることで、“なぜその経絡を選ぶのか?”という根拠が明確になります。
【1. 経絡とは「動的な生命の道」】
📖 『霊枢』経脈篇:「経脈は内に五臓六腑を絡い、外に肢節に達す」
経絡とは、臓腑と体表、五感と内臓、気血と意識を結ぶ回路網です。
✅ 静的に見れば:体幹・四肢をつなぐ「ライン」
✅ 動的に見れば:「気」が流れる“リズム・時間・方向”をもった生命の流れ
この“動き”を意識することが、臨床での経絡選び・ツボ選びに直結します。
【2. 流注とは?〜経絡の流れる順序と意味〜】
「流注(るちゅう)」とは、経絡の気の流れがどのように始まり、どこを巡って、どう終わるかを示す理論。
12経脈は以下のように流れ、陰から陽へ、深部から体表へ、内臓から手足へと、生命を巡ります。
順番 | 経絡 | 開始部位 | 主な流れ |
1 | 肺経 | 中焦 → 大腸 → 胸中 → 上肢 | 呼吸・皮膚・免疫の調整 |
2 | 大腸経 | 人差指 → 上肢 → 顔面 | 肺と連携・大腸機能・鼻 |
3 | 胃経 | 鼻翼 → 顔面 → 下肢 → 胃 | 消化・筋肉・目・口 |
4 | 脾経 | 足 → 腹部 → 胸部 | 消化吸収・血の生成・筋肉維持 |
5 | 心経 | 心 → 上肢 → 小指 | 精神活動・血脈 |
6 | 小腸経 | 小指 → 上肢 → 顔面 | 水分代謝・栄養分配 |
7 | 膀胱経 | 目頭 → 頭背部 → 下肢 | 泌尿器・神経・筋骨系 |
8 | 腎経 | 足裏 → 背部 → 腎 → 肺・心 | 生命力・ホルモン・骨 |
9 | 心包経 | 心包 → 上肢 → 中指 | 心の緩衝器・自律神経 |
10 | 三焦経 | 薬指 → 上肢 → 側頭 | 体温調節・気の循環 |
11 | 胆経 | 側頭部 → 体側・下肢 | 決断・筋肉・胆汁代謝 |
12 | 肝経 | 足 → 陰部 → 内臓 → 目 | 情緒・血の貯蔵・筋力調整 |
☯️ ポイント:症状の位置・季節・時間帯・感情・性格などと経絡の流注を照らし合わせると、「この経絡が今、乱れている」と読めるようになる。
【3. 鍼仙人の読み方:「流れの逆行」と「気の詰まり」を診る】
流注の理論を知ることで、こんな視点が得られます:
✅ 「逆流(逆行)」:気が本来の流れと逆に動いている
→ 例:胃気上逆=げっぷ・嘔吐・しゃっくり → 胃経を順方向に流す処置(内庭・足三里)
✅ 「途中の滞り」:ある部分で気血が停滞している
→ 例:膀胱経の背部ラインで筋緊張・痛み → 背部兪穴への刺鍼で通気
✅ 「終点の詰まり」:経絡終点で症状化する
→ 例:胆経の終点=目の外側 → 側頭部の頭痛・眼精疲労に効く(光明・外丘など)
【4. 経絡治療における“流注活用術”】
🌿 基本戦略
上から下へ:熱を引く・鎮静する(例:百会 → 三陰交)
下から上へ:活性化・陽気を巡らす(例:太谿 → 気海)
経絡全体を活かす:流注に沿った経絡マッサージ・温灸・鍼通電
🧠 鍼仙人の臨床実感
「症状の出ている“位置”を見て経絡を選ぶ」
「その経絡の“気が詰まりやすいポイント”を選ぶ」
「流注を意識して、手の位置・刺入方向・施術順を調整する」
【5. 実践:こんな症状はこの経絡を読む】
症状 | 経絡 | 理由 |
鼻炎・鼻づまり | 大腸経・肺経 | 鼻〜上肢をつなぐ流注上の部位 |
頭痛(側頭部) | 胆経 | 流注の終点が側頭部 |
足の冷え・むくみ | 脾経・腎経 | 下肢内側を上がる経絡の気滞 |
月経不順・PMS | 肝経・任脈 | 肝→子宮、任脈→生殖器系を貫く |
【まとめ:“線”ではなく“流れ”で診る】
経絡は「静的な線」ではなく、「動的な流れ」
症状の場所・性質・時間帯から“どの経絡が関わるか”を流注から読む
施術は「どこに」「どういう方向で」「何を流すか」の設計
次回は、この流注の理解をさらに深め、「経別・奇経八脈の活用術」に進みましょう!
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『鍼仙人』院長 高山 昌大施術歴16年/87,000人以上の施術実績。プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。鍼灸・柔整・構造医学・東洋医学をはじめとする幅広い知識と手技を融合。「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。

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