vol.82【素問】配穴と経絡治療の基本〜なぜそのツボを選ぶのか?〜
- - 鍼仙人 - 高山 昌大
- 3月24日
- 読了時間: 5分
更新日:3月27日
鍼灸治療において、「どのツボを使うか?」という選穴・配穴のセンスは、施術効果を決定づける“核心技術”です。
しかし、多くの施術家がこのような悩みを抱えています:
「何となく効きそうなツボを選んでいる」「教科書通りだけど、本当に合っているのか分からない」「複数のツボを組み合わせる“理由”が曖昧」
このような迷いを解消してくれるのが、古典に基づいた“配穴理論”です。
今回は、素問・霊枢に語られる「経絡と治療点の関係性」から、現代臨床にも使える配穴戦略を整理してお伝えします。
【1. 経絡治療の根本思想:「経絡=気の道」】
東洋医学では、身体を流れる12の主経絡が、臓腑・四肢・感覚器・情緒までつなぐと考えます。つまりツボとは、「体内と体表、心と体をつなぐスイッチ」なのです。
📖 『霊枢』経脈篇より:「経脈を知れば、治療は過たず」
つまり、「経絡の理解なしに、正確なツボ選びは成立しない」ということ。
【2. 配穴の基本パターン5選】
✅① 同経配穴(同じ経絡内でのツボ選び)
主訴が明確で、その部位と経絡が一致しているとき
例:前腕の痛み → 手の陽明大腸経 → 曲池・合谷
✅② 表裏配穴(相対する陰陽経絡の組み合わせ)
陰経と陽経をセットにしてバランスを取る
例:肺経(陰)+大腸経(陽)=呼吸器や皮膚トラブルに対応
✅③ 遠隔配穴(患部から離れたツボで治療)
実際に触れにくい部位や急性の症状に有効
例:腰痛に足の委中、頭痛に足の太衝
✅④ 上下配穴(上半身と下半身の組み合わせ)
気の巡りを上下に通す/陰陽の流れを統合する
例:不眠に百会(上)+三陰交(下)
✅⑤ 左右配穴(左右のツボを使い分ける)
片側症状への対応、または全体バランスをとるために左右を活用
例:片頭痛に患側+健側のバランスをとる
【3. なぜこのツボ?を答えられる配穴思考】
🧭 例:月経不順のケース
弁証:肝気鬱結による血瘀
配穴戦略: → 肝経:太衝(肝の気を巡らせる) → 脾経:三陰交(血の生成・子宮との関係) → 任脈:関元(生殖・精血の根本) → 阿是穴:圧痛部を確認し加える
施術意図:肝の気を通じさせ、血の巡りを調え、下焦の気血を活性化する
→ このように「ツボの意味」と「全体の意図」がつながっていることが、良い配穴の条件。
【4. 鍼仙人の視点:「1本で流れを変える」配穴を探せ】
配穴とは、数合わせではない。「最小の刺激で最大の変化を出すための“戦略”」です。
だから私は、ツボを選ぶときにこう問いかけます:
「この1本で“気の流れ”をどこまで変えられるか?」「全身に影響する“波”を起こせるツボはどこか?」
結果として、選ぶツボが少なくなり、刺激量も必要最小限に。
🔸 よく効く鍼は、“気の通り道”を読んで、最短距離を突いてくる。
【5. 配穴を磨くための3つの実践法】
① 「なぜそのツボか?」を毎回記録に残す
→ ツボと症状、弁証との関係を言語化してストック
② 患者の「変化」をフィードバックとして観察する
→ ツボの効果を言葉・動作・表情で観察する力が磨かれる
③ 古典の“穴の性格”を学び直す
→ 原穴・絡穴・募穴・郄穴・下合穴など、意味を持ったツボの背景を知る
【まとめ:配穴とは、“意図を持った技術”である】
ツボは無限にあるように見えて、選ぶべきはいつも“意味のある最小限”
経絡に基づき、「なぜ」「どのように」使うかを説明できる配穴が臨床力を高める
治療とは、“流れを読む力”と“動かす手”の共演
次回は、ツボの中でも重要な「五兪穴」「原絡募合」の使い方と臨床戦略に進んでいきます!
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『鍼仙人』院長 高山 昌大施術歴16年/87,000人以上の施術実績。プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。鍼灸・柔整・構造医学・東洋医学をはじめとする幅広い知識と手技を融合。「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。

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