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vol.81【素問】弁証論治とは何か?〜診断と治療を“つなぐ”技術〜

  • 執筆者の写真: - 鍼仙人 - 高山 昌大
    - 鍼仙人 - 高山 昌大
  • 3月24日
  • 読了時間: 5分

更新日:3月27日

東洋医学の臨床現場で最もよく使われる言葉、それが 「弁証論治(べんしょうろんち)」

この言葉は、単なる専門用語ではなく、「診て」「証を立て」「治療を決める」までの一連の“思考と実践の流れ”を意味します。

つまり、患者を前にしたときの“施術家の脳の中”を言語化したもの

古典の中でも素問や霊枢には、「証を論じて、これに治法を当てる」=“証を見て治療を決める”という発想が常に語られています。



【1. 弁証論治=東洋医学の診療アルゴリズム】


分解すると、こうなります:

用語

意味

ポイント

弁(べん)

見分ける・判別する

情報を多角的に集める(四診)

証(しょう)

病の構造と体の状態

八綱・臓腑・気血津液などで分析

論(ろん)

議論・評価する

どの証が主因かを判断・統合する

治(ち)

治療方針を決定する

補・瀉・通などの技術を選ぶ


このプロセスが「弁証論治」です。言い換えれば、“東洋医学のPDCAサイクル”とも言えるでしょう。



【2. 弁証論治の実際の流れ】


✅① 四診合参(情報収集)

  • 望診・聞診・問診・切診から、「症状」と「背景情報」を集める

  • 舌や脈だけでなく、感情や性格、生活環境も含めて診る


✅② 弁証(証を立てる)

  • 八綱分類 → 表裏・寒熱・虚実・陰陽

  • 臓腑弁証 → 肝・心・脾・肺・腎のどれが関与?

  • 気血津液弁証 → 気虚か?血瘀か?痰湿か?


✅③ 論治(治療方針を決定)

  • 「今、どこをどう整えるか?」

  • 補法・瀉法・調整・温熱・通経など

  • 鍼・灸・手技・生活指導など治療手段を統合的に選ぶ



【3. なぜ弁証論治が重要なのか?】


🔹 治療の根拠が明確になる

→ 「なぜこのツボを選んだか?」に対して理論がある


🔹 患者への説明ができる

→ 「あなたの不調は“脾気虚”から来ています」など伝えられる


🔹 効果判定・経過観察が可能になる

→ 「前回は気虚中心だったが、今日は気滞が目立つ」と再評価できる


🔹 決してパターン診療に陥らない

→ その都度「その人の状態に合わせる」柔軟な施術が可能に



【4. 鍼仙人の視点:感覚と論理をつなぐ“翻訳回路”】


弁証論治は、決して「マニュアル的」な作業ではありません。むしろ、“感覚で得た気づき”を、“論理と言葉”に変換する技術なのです。


  • 「この人、なんとなく冷えてる」 → 「陽虚証かも」

  • 「気が詰まってる感じがする」 → 「肝気鬱結、気滞証」

  • 「浮腫があり肌がぬるい」 → 「脾虚湿困、津液代謝不良」


そうやって、「手の感覚」や「会話で得たヒント」を“証”に落とし込む力”

これが施術家としての“統合力”であり、“臨床の芸術”なのです。



【5. 実践応用:簡単なテンプレート】


🔸 証の組み立て式:


八綱+臓腑+気血津液+病因 → 論治法則 → ツボ・技術・生活指導

🔸 例:慢性疲労のケース


  • 情報:疲れやすい、食欲不振、便が緩い、むくみ、集中力低下

  • 弁証:裏・寒・虚 → 脾気虚証

  • 論治:補脾益気、健運化湿

  • ツボ:足三里・中脘・脾兪・三陰交

  • 補法+軽い灸+食事指導(温性食品の摂取)



【まとめ:弁証論治=東洋医学の頭脳と心臓】


  • 弁証論治は、情報・証・治療をつなぐ“臨床思考の幹線道路”

  • マニュアルではなく、“人を観る眼と手を育てる技術”

  • 鍼灸家にとって最大の武器は、「見立て」と「治療」が一貫していること



次回はこの流れを受けて、「ツボの選び方と配穴理論」へと進みます。




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『鍼仙人』院長 高山 昌大施術歴16年/87,000人以上の施術実績。プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。鍼灸・柔整・構造医学・東洋医学をはじめとする幅広い知識と手技を融合。「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。





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