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vol.72【素問】陰陽論の真価〜東洋医学のすべてはここから始まる〜

  • 執筆者の写真: - 鍼仙人 - 高山 昌大
    - 鍼仙人 - 高山 昌大
  • 3月24日
  • 読了時間: 5分

更新日:3月27日

「陰陽(いんよう)」――あまりにも有名で、あまりにも誤解されている言葉。

“白と黒のマーク”“男と女”“静と動”といった表面的な解釈にとどまってしまいがちですが、東洋医学における陰陽論とは、“生命の本質”を貫く原理であり、すべての診断、すべての治療、すべての概念はここに立ち返ると言っても過言ではありません。

素問の世界を理解する上で、陰陽を“ただの分類”ではなく、動的・関係性の原理として捉えることが不可欠です。


【1. 陰陽とは、“2つで1つ”の存在構造】


陰陽とは、「反対でありながら補い合う2つの力」。古代中国では、すべての現象・物質・存在はこの陰と陽の関係性で構成されていると考えました。


静・内・冷・夜・形・収・女性的

動・外・熱・昼・機能・発・男性的

ここで重要なのは、陰陽は**絶対値ではなく“相対関係”**であるということ。「冷たいから陰」「熱いから陽」ではなく、どちらかがもう一方よりも陰的/陽的であるかが基準です。



【2. 陰陽転化・互根・消長・平衡という4大法則】


素問では陰陽に関して、以下の“4つの変化法則”が繰り返し語られています:


🔹① 互根(ごこん)

陰がなければ陽は存在せず、陽がなければ陰も存在しない。→「活動(陽)」には「物質(陰)」が必要ということ。


🔹② 消長(しょうちょう)

陰と陽は時間とともに増減する。昼と夜、春と冬のように。→「陰が増せば陽が減る」、そのバランスが健康のカギ。


🔹③ 転化(てんか)

ある極に達すると、陰から陽へ、陽から陰へと転じる。→ 例えば、熱(陽)が極まると冷え(陰)へと転化する現象。


🔹④ 平衡(へいこう)

陰陽のバランスが保たれている状態=健康。どちらかに偏ると病となる。

この4原則を使いこなすことが、診断・治療の「読み解き力」につながります。



【3. 鍼灸臨床と陰陽論の応用】


🔸 虚実の判断

  • 実証:陽が過剰 → 発熱・怒り・便秘など

  • 虚証:陰が不足 → 不眠・動悸・ほてりなど


🔸 補瀉の原則

  • 陰虚には補陰(潤し、冷ます)

  • 陽虚には補陽(温め、活力をつける)


🔸 時間・季節のアプローチ

  • 夏は陽が旺盛 → 陽の気を分散させる処方(心火の清熱)

  • 冬は陰が旺盛 → 腎陽を補い、冷えを防ぐ処方


たとえば、「頭痛」と一言でいっても、陰虚による血不足か、陽実による肝陽上亢かによって治療法は真逆になります。

ここで陰陽論が活きてくるのです。



【4. 鍼仙人の視点:陰陽は“治療家の直感”を言語化する】


臨床では、「なんとなくこっちが足りてない」「ここが巡ってない」そんな感覚が働くことがあります。

陰陽論は、それを*言葉と理論に変える“翻訳装置”*になります。だから私は、診断で迷ったらいつもこの問いを投げかけます。


「これは陰の問題か?陽の問題か?」「不足か?過剰か?停滞か?偏りか?」

その瞬間、視界がクリアになることが多いのです。



【まとめ:陰陽を使いこなす者は、東洋医学を制す】


  • 陰陽は“理論”であり、“哲学”であり、“治療そのもの”

  • 東洋医学のあらゆる概念は、この陰陽に帰着する

  • 見立てがブレるときは、まず陰陽に立ち返ること


現代の施術家こそ、陰陽の深層をもう一度見直す時代です。🌿


次回は、『素問』の中から特に有名な章「上古天真論」にフォーカスして解説します。



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『鍼仙人』院長 高山 昌大施術歴16年/87,000人以上の施術実績。プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。鍼灸・柔整・構造医学・東洋医学をはじめとする幅広い知識と手技を融合。「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。




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