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vol.203【難経八難】臓腑と経絡の“主治関係”〜氣の通り道とその役割〜

  • 執筆者の写真: - 鍼仙人 - 高山 昌大
    - 鍼仙人 - 高山 昌大
  • 3月29日
  • 読了時間: 5分

「経絡って、ただの“道”なんですか?」

臨床でも頻繁に使う“経絡”という言葉。

しかし、その本質にどこまで迫れているだろうか?

第八難は、臓腑と経絡の“主治関係”──つまり「氣の通り道の意味」を明らかにしてくれる。


【1. 経絡は“氣の文法”である】


経絡は単なるルートではない。


それは、氣が流れるための秩序ある構造=“氣の文法”である。


  • 臓腑は“氣の器”

  • 経絡は“氣の文章”


つまり、氣は「どこでも自由に流れる」のではなく、 経絡という“言語”を通して流れる性質を持つ。

だからこそ、ツボや経穴の配置にも意味があり、 「主治」という概念が生まれるのだ。



【2. 主治関係とは“氣の連携プレー”】


難経八難では、経絡と臓腑の“主治”が明示されている。

たとえば──


  • 手太陰肺経 → 肺・咳・鼻・喉の不調

  • 足太陽膀胱経 → 腎・泌尿器・後頭部・背部の痛み

  • 足厥陰肝経 → 肝・目・情緒・生理痛


これらは単なる関連ではなく、氣の通り道としての“臓腑との協調関係”を意味する。

この“主治関係”を診れることが、 臨床における的確な経絡選択につながるのだ。



【3. 経絡は“診断と治療”の共通言語】


問診・望診・舌診・脈診── そのすべてが最終的に「どの経絡を使うか」という選択につながる。


  • 肝の氣が滞っている → 肝経

  • 胃の氣が逆上している → 胃経

  • 腎の陰が足りない → 腎経


臓腑の不調=経絡の乱れとして捉えることができるか。

それが、難経が求める“氣の総合力”である。


☯️鍼仙人の哲学

経絡とは、「氣の記憶」である。

どんな想いが、どんな経絡に宿ってきたか。

身体に刻まれた氣の流れを読み解くとき、 鍼仙人は“言葉なき記録”としての経絡に耳を澄ませる。



【4. 鍼仙人としてのまとめ】


経絡は、ただの施術対象ではない。

それは、氣が臓腑と心をつなぐ“詩の回路”である。

難経八難は、 施術における「なぜこの経絡か?」という根拠を与えてくれる。

それは臨床を詩的にする、技と哲学の交差点である。


🔚まとめ

臓腑と経絡の主治関係を診ることは、 氣の“交通整理”と“文脈読解”を同時に行うこと。

今日から活かせる一言:経絡とは、氣が心を伝えるための回路。


📘次回予告

次回は、vol.204【難経九難】「寸口三部の脈診とは何か?〜手首に映る全身の氣〜」

いよいよ脈診の世界へ──氣の波を読む感性が問われます。


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『鍼仙人』院長 高山 昌大

施術歴16年/87,000人以上の施術実績。

プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。

鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。鍼灸・柔整・構造医学・東洋医学をはじめとする幅広い知識と手技を融合。

「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。


🟡典拠:『難経』第八難/『霊枢・経脈篇』/『素問・経脈別論』




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