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vol.194【難経】難経とは何か?〜鍼灸の“原点思考”〜

  • 執筆者の写真: - 鍼仙人 - 高山 昌大
    - 鍼仙人 - 高山 昌大
  • 3月29日
  • 読了時間: 6分

「難経って、実はちゃんと読んだことがないんです」

そんな声を、治療家の口からよく聞く。“難しい経”と書くくらいだから、読むのに腰が引けるのも無理はない。

けれども──今こそ、この“問いの書”に立ち返るべき時代が来ている。

技術が高度に洗練され、SNSや動画から無数のテクニックが学べる現代。それでも、なぜか治療が「うまくいかない」。

そんな壁にぶつかった時こそ、難経のページを開いてみてほしい。

そこには「術」ではなく、「問うこと」で臨床の真髄に迫る哲学が息づいている。



【1. “難”とは何か?東洋思想における「問い」の重み】


“難”とは、「問い、疑い、問難」の意を持つ。つまり、『難経』とは「問いかけの経典」なのだ。

答えを教えるのではなく、「問うこと」で読者の思考を深める構造になっている。

古代の東洋思想において、“問い”を立てる力は術者の格を決定づけた。それは単なる知識ではなく、“命”や“氣”という形なきものに触れるための感性を磨く鍛錬でもあった。

鍼灸の世界では、答えの正しさよりも、「どんな問いを持って臨床に臨むか」が問われる。その意味で『難経』は、古代から現代へと受け継がれる“問いの修行書”である。



【2. 『難経』という書物の成り立ち】


『難経』は『黄帝内経』(素問・霊枢)の思想を補完・再構築する形で誕生した。

81章(=難)で構成され、黄帝と名医・扁鵲との問答形式で書かれている。

全体を通して、脈診・五行・臓腑・気血・経絡などを主題としながら、 「臨床で何をどう捉えるか」に焦点を当てている。

この81という数字には、陰陽九宮・易の構造など、東洋思想における完全性が重ねられていると考えられている。

つまり『難経』は、ただの解説書ではない。それは術者が“全体”に触れるための「問いの旅路」なのである。



【3. なぜ“今”、難経を読むのか】


現代医療は、科学とテクノロジーによって目覚ましい進歩を遂げた。

だがその一方で、「問診が機械的になっている」「患者の語りを聴けていない」といった問題も浮き彫りになっている。

“病”を診るだけではなく、“人”を診る。そのためには、治療家の側に“問う力”が必要なのだ。

難経はまさに、「本当に大切な問いとは何か?」を教えてくれる。

「この脈を、どう捉えるか?」「この患者の“氣”は、どこで淀んでいるか?」「今、自分は何に囚われているのか?」

そうした“問いを立てる力”は、現代の情報に溺れた治療家が失いかけているものかもしれない。


☯️ 鍼仙人の哲学

『難経』は、術者の思考力・感受性・氣の捉え方を研ぎ澄ます“修行書”だ。

テクニックに走る前に、問いを立てる力を磨け。そうして初めて、真の“氣の操作”が可能になる。

患者の身体を診る前に、まず自分の「観る力」を問い直す。その一歩が、すでに“治療”である──それが鍼仙人の臨床哲学だ。



【4. 鍼仙人としてのまとめ】


『難経』を読むとは、古代の智者たちの「問い」と向き合うこと。それは即ち、自らの臨床を問い直すことでもある。

だからこそ鍼仙人は、施術前に一頁めくり、心を整える。鍼を持つ前に、魂を澄ませる。──それが「難経的臨床」だと考える。


🔚まとめ

難経とは、「問いによって術者を育てるための書」である。

答えは書かれていない。だが、問いの中にすでに“氣”が宿っている。

今日から活かせる一言:「問いを立てる力が、氣を動かす力になる。」


📘次回予告

次回は、vol.195【難経】なぜ今、難経を読むのか?〜臨床家の羅針盤として〜 “知る”よりも、“問う”ことの意味を、さらに深く掘り下げていきます。


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“氣に向き合う、その一刺しは祈りである。”


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『鍼仙人』院長 高山 昌大施術歴16年/87,000人以上の施術実績。プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。鍼灸・柔整・構造医学・東洋医学をはじめとする幅広い知識と手技を融合。「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。

🟡典拠

『難経』『霊枢』『素問』




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