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vol.177【霊枢】補瀉の思想と操作〜鍼灸技術の哲学〜

  • 執筆者の写真: - 鍼仙人 - 高山 昌大
    - 鍼仙人 - 高山 昌大
  • 3月28日
  • 読了時間: 5分

鍼灸の核心にある「補瀉(ほしゃ)」という概念。 “氣を補う”あるいは“氣を瀉す”という操作は、 単なる技法ではなく、東洋医学が築いてきた哲学そのものだ。

本稿では、『霊枢』に記された補瀉の思想をもとに、 その根本的な意味と臨床での応用について紐解いていく。



【1. 補瀉とは“氣の調律”である】


『霊枢・九鍼十二原篇』には、 「補す者は虚すを実し、瀉す者は実すを虚す」とある。

つまり、氣の偏りを整え、全体の調和を図るのが補瀉。

「氣の多すぎるところは抜き、足りないところへは満たす」 ──この調整こそが、東洋医学の治療的本質である。


☯️鍼仙人の視点:


「補瀉とは“氣の指揮棒”のようなもの。全身を一つの楽団として奏でる。」


【2. 操作は“意”と“手”が一致してはじめて成る】


補瀉には、以下のような具体的操作法がある:


  • 迎随:氣の流れに逆らう(瀉)か、従う(補)か

  • 捻転:針を時計回りに(補)/反時計回りに(瀉)

  • 提挿:引く動作を重視(補)/押し込む動作を重視(瀉)


だが、大切なのは「術者の意図」と「手の動き」が一致することである。

術者の心がぶれていれば、氣もまた流れない。


☯️鍼仙人は語る:

「技は“手先”にあらず。“氣”を導く心の矢である。」


【3. 補瀉の見極めは“証”から始まる】


「この人には補か、瀉か」── その判断は、「証(しょう)」という診断から始まる。


  • 虚証 → 補

  • 実証 → 瀉

  • 虚実挾雑 → 補と瀉を同時に(例:補腎瀉肝など)


『霊枢』では、 「診て其の病を知り、脈に従いて而して鍼を施す」とあり、 “診断なくして刺鍼なし”が原則である。


☯️鍼仙人はこう考える:


「診なき鍼は、羅針盤なき航海のごとし。」


【4. 現代臨床における補瀉の応用】


現代において補瀉の技法は、“効果を出す技術”として 見られがちだが、本来は「氣の自然な方向性を整える行為」である。


🌀臨床例:


  • 慢性疲労 → 足三里に補法

  • 肩こり・張り → 肩井や天柱に瀉法

  • 冷え性・更年期 → 三陰交・関元に補法


つまり、補瀉とは“氣の交通整理”に他ならない。


☯️鍼仙人の捉え方:


「氣の過不足は、渋滞や停滞を生む。 補瀉とは氣の流れをデザインする術である。」


🔚まとめ:補瀉は“哲学”であり“設計”である


ただの「刺激」ではなく、 氣のバランスを意図的に変えるための手段──それが補瀉。

術者が診て、考え、意図を込めて氣を動かす。 そこには古典に裏打ちされた、確固たる哲学がある。


🪶今日から活かせる一言:


「氣を動かす者は、“意”と“術”を調えよ。」

📘次回は【霊枢シリーズ】vol.178 「精神・情緒に対する鍼灸治療の可能性」について解説していきます。 “氣とこころ”の関係を探りながら、東洋医学が描く“情志”のケアに迫ります。


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『鍼仙人』院長 高山 昌大

施術歴16年/87,000人以上の施術実績

プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。

鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。鍼灸と構造医学を融合し、現代に活きる“臓腑の哲学”を実践する。


🟡典拠(霊枢より):

・『霊枢・九鍼十二原篇』

・『霊枢・邪気蔵府病形篇』

・『霊枢・終始篇』




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