top of page

vol.174【霊枢】虚実・寒熱・表裏・陰陽で治療方針を立てる〜東洋医学の“判断軸”と臨床思考〜

  • 執筆者の写真: - 鍼仙人 - 高山 昌大
    - 鍼仙人 - 高山 昌大
  • 3月28日
  • 読了時間: 6分

東洋医学では、病の名前を探すのではなく、氣の状態を見極める。そのために用いられるのが、八綱(はっこう)弁証という“氣のスキャン技術”。

特にその中核となる4つ──虚実・寒熱・表裏・陰陽

『霊枢』ではこれらが単なる分類ではなく、治療の方向性・刺鍼の根拠として位置づけられている。今回は鍼仙人の診立てとともに、八綱の核心4軸をどう読むか、どう使うかを解説していこう。


【1. 虚実:氣の“余りと足りなさ”を診る】


■ 虚(きょ)=正氣の不足(=補う)

■ 実(じつ)=邪氣の過剰(=瀉す)


所見

意味

方針

疲れ・冷え・無力感

補法・温補・補氣補血

怒り・張り・熱感・痛み

瀉法・発散・氣の疏通


鍼仙人の哲学:


「氣は“多すぎても、少なすぎても”病になる。治療とは、氣の“適量”をつくること。」


【2. 寒熱:氣の“温度”を診る】


■ 寒(かん)=陰盛・氣血の収縮(=温める)

■ 熱(ねつ)=陽盛・氣血の過剰循環(=冷ます)


所見

舌が白い/脈が遅い/冷え

陰が過剰・陽虚

補陽・温経・艾灸

舌が紅・苔が黄/脈が速い

陽が過剰・陰虚

清熱・疏熱・瀉法


鍼仙人の格言:


「熱を冷まし、寒を温める──それだけで、命はよく働き始める。」


【3. 表裏:病の“深さ”を診る】


■ 表(ひょう)=体表・筋肉・皮膚・経絡

■ 裏(り)=臓腑・氣血・精神


所見

表証

裏証

発熱・悪寒・頭痛・関節痛

邪氣が表にある

解表・発汗

食欲不振・腹痛・便秘・情緒不安

臓腑の不調・慢性化

調氣・補瀉・内調整


鍼仙人の視点:


「症状がある場所ではなく、氣が戦っている“ステージ”を見極めよ。」

【4. 陰陽:すべての“統括フレーム”】


■ 陽証:熱・外向・活動的・上部に症状

■ 陰証:寒・内向・静的・下部に症状


陽≠良い、陰≠悪い、という意味ではない。バランスを崩した“陰陽の偏り”こそが病の正体。


状態

陽証

陰証

浮・数

沈・遅

顔色

赤・つやあり

蒼白・つやなし

症状

発熱・口渇・イライラ

冷え・むくみ・倦怠感


鍼仙人の捉え方:


「陰陽とは、氣の呼吸。深く吸い、静かに吐く──その調和が、命の軸を保つ。」


【5. 鍼仙人式・八綱4軸で組み立てる治療戦略】


❶ 患者の氣の“偏り”を八綱で分類する

❷ 虚実・寒熱・表裏・陰陽を総合して“證”を立てる

❸ ツボの選定・補瀉の方向・お灸の有無を決定

❹ 自宅での過ごし方・食事・呼吸法も“氣の軸”に沿ってアドバイス


🌀 例:


  • 表熱実証 → 合谷・曲池・風池(瀉法+発散)

  • 裏寒虚証 → 足三里・中脘・命門(補法+温補)

  • 陰虚火旺 → 太谿・照海・心兪(補陰+瀉火)


鍼仙人の診立て:


「八綱とは、氣を診る“8本のコンパス”。それがなければ、治療は方向を見失う。」


【🔚まとめ:“氣の偏り”を整えるのが東洋医学】


西洋医学が“病名”を探すなら、東洋医学は“氣の偏り”を読む。

虚か、実か。寒か、熱か。内か、外か。陰か、陽か。

その見立てこそが、治療の設計図である。


鍼仙人はこう結ぶ:


「八綱は、氣の天気図。そこから“治療の航路”を描け。氣を読み、病に勝つ。それが、鍼灸の哲学だ。」

📘次回は【霊枢シリーズ】vol.175「五臓別の治療戦略:肝虚・脾虚・腎虚をどう診るか」について解説していきます。五臓それぞれの“虚”の見立てと補法の組み立て、鍼仙人流にまとめていきます。


🌿 voyage.鍼灸ラウンジ – Total Body Health & Beauty Care – 🌿

〜 鍼灸治療 × 整体 × 美容エステ 〜


八綱で氣を読み、命の設計図を描く。


隠れ家のようなプライベートラウンジで、

氣の偏りを整える精密な治療をお届けします。


『鍼仙人』院長 高山 昌大

施術歴16年/87,000人以上の施術実績。

プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。

鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。氣を分類し、整える。東洋医学のロジックと感性を併せ持つ治療を提供しています。


🟡典拠(霊枢より):

・『霊枢・通天篇』

・『霊枢・営衛生会篇』

・『霊枢・九鍼十二原篇』





\対応キーワード一覧/  

<施術・メニュー系>  

鍼灸・整体・美容鍼・美容整体・骨盤矯正・小顔矯正・小尻矯正・マッサージ・ヘッドスパ・リラクゼーション・経絡治療・オイルマッサージ・フェイシャルトリートメント・エステ・パーソナルトレーニング・スポーツマッサージ


<症状・お悩み系>  

肩こり・腰痛・頭痛・首こり・猫背・巻き肩・肩甲骨はがし・坐骨神経痛・冷え性・むくみ・不眠症・睡眠改善・眼精疲労・疲労回復・PMSケア・更年期ケア・冷え対策・自律神経・体質改善・AGケア


<ケア対象・ターゲット別>  

産後ケア・マタニティケア・シニアケア・学生割引あり


<施設タイプ・専門性>  

鍼灸院・整体院・整骨院・ボディケア・リラクゼーションサロン・東洋医学・クリニック・病院・内科・外科・産婦人科・小児科・産科・アレルギー科・リウマチ科・整形外科・耳鼻咽喉科・口腔外科・歯科・医科


<学術系>

皮膚科学・解剖学・生理学・病理学・衛生学・公衆衛生学・臨床医学総論・臨床医学各論・はりきゅう理論・柔道整復学理論・リハビリテーション医学・東洋医学概論・経絡経穴概論・東洋医学臨床論・関係法規・医療概論・外科学・整形外科学・精神医学・小児科学・内科学


<対応エリア>  

東京都・足立区・六町・南花畑・北綾瀬・綾瀬・青井・梅島・西新井・谷在家・舎人・見沼代親水公園・浅草・北千住・南千住・上野・日暮里・西日暮里・秋葉原・表参道・銀座・有楽町・豊洲・東京駅・丸の内・世田谷・品川・渋谷・恵比寿・中目黒・吉祥寺・高円寺・荻窪・三鷹・葛西・西葛西・東陽町・人形町・八潮・三郷・南流山・流山おおたかの森・流山セントラルパーク・柏の葉キャンパス・松戸・我孫子・幕張・千葉市・草加・越谷・川口・大宮・浦和・守谷・つくばみらい・みらい平・研究学園・つくば・千代田区・中央区・台東区・荒川区・世田谷区・品川区・葛飾区・江戸川区・江東区・石岡市・土浦市・水戸市・さいたま市・浦和


\ハッシュタグ/  

Comments

Rated 0 out of 5 stars.
No ratings yet

Add a rating
bottom of page