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vol.167【霊枢】構造医学と東洋医学の接点とは?〜“外の形”と“内の氣”をどうつなぐか〜

  • 執筆者の写真: - 鍼仙人 - 高山 昌大
    - 鍼仙人 - 高山 昌大
  • 3月28日
  • 読了時間: 6分

姿勢が悪い。骨盤がズレている。背骨の歪みが氣になる。

──こうした構造の問題に対し、西洋的アプローチでは「アライメント修正」「筋バランス調整」が主流。

一方、東洋医学は氣・血・津液のバランスを内側から整える。

では、“形”と“氣”は別物なのか?いや、実は『霊枢』には、“かたちと氣”の深いつながりが明確に記されている。

今回は、構造医学と東洋医学を融合する鍼仙人が、氣と骨格を同時に診る方法、そしてその哲学的接点を明かしていこう。



【1. 『霊枢』における“形と氣”の記述】


『霊枢・五色篇』では、


「形を視て病を知り、氣を察して治を決す」

姿勢・動作・筋肉の張り・背骨の歪み──すべては氣の状態の“外的表現”とされている。

つまり、“かたち”を診ることで、“氣の滞りや虚実”が見えてくるのだ。


鍼仙人の視点:


「氣は目に見えない。だが、形として“現れている”。身体は、氣の履歴書である。」


【2. 構造の歪み=氣の偏りの“形態化”】


■ 骨盤の前傾 → 腎・肝の氣が下から上へ逃げている

■ 背中の丸まり → 肺氣・心氣の沈滞・悲憂の氣の蓄積

■ 頭部前方位 → 肝氣・胃氣の上逆傾向+ストレス型思考

■ 片足荷重・重心の傾き → 脾氣の左右不均衡、氣の“片寄り”


つまり、構造的な歪みは氣の流れが歪んだ結果とも言える。そして、逆に氣を整えることで、構造は自然と正されることも多い。


鍼仙人の格言:


「姿勢は“氣の傾き”。氣が整えば、形は勝手に戻る。」


【3. 鍼仙人式・“構造と氣”を同時に診るアプローチ】


立位・座位・歩行で“氣の歪み”を見る → 足の接地/骨盤の傾斜/背骨の柔軟性/肩の高さなど

筋緊張=氣の詰まり/弛緩=氣の抜け と捉える → 首肩の張り=肝氣鬱結/腰の脱力=腎虚傾向など

歪んだ部位に“氣の調整点”を打つ → 肩甲骨下制→膈兪・心兪/骨盤傾斜→腎兪・関元・大腸兪 など

氣の補瀉で“構造の反応”を観察する → 鍼後に骨盤の高さ・足の接地・姿勢が変わるのが理想


鍼仙人はこう語る:


「構造は“動かすもの”ではない。氣で“整えるもの”だ。」


【4. 統合的な臨床戦略:構造と氣のハイブリッド治療】


▶ 鍼+整体(手技):・筋膜の滑走×経絡ラインの開放・関節アライメント×氣の流れの誘導

▶ 鍼+姿勢矯正エクササイズ:・内転筋×腎經/腹横筋×脾經/背筋群×膀胱經など

▶ 鍼+呼吸法:・丹田呼吸×氣の下降/肺活量UP×氣の発散

構造と氣を同時に見てこそ、“目に見える歪み”と“目に見えぬエネルギー”がつながる。


鍼仙人の哲学:


「氣とは、形の源。形とは、氣の鏡。その両方に触れられる術者こそが、真の治し手だ。」


【5. 🔚まとめ:氣と形を“別物にしない”治療へ】


現代は、身体を“物質”として見る視点と、氣という“非物質的エネルギー”として扱う視点が分断されがち。

だが『霊枢』は明確に語る。氣と形は、一体不可分である。


鍼仙人はこう結ぶ:


「氣を診る手に、形を診る眼を持て。そして、氣と形の“橋”となるのが、鍼である。」

📘次回は【霊枢シリーズ】vol.168「氣とは何か?〜霊枢が描く“生命の本質”〜」について解説していきます。氣はただのエネルギーではない──霊枢に記されたその本質と宇宙観を紐解きます。




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『鍼仙人』院長 高山 昌大

施術歴16年/87,000人以上の施術実績。

プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。氣と構造、心と身体、その全てに触れる“統合医療”を実践しています。


🟡典拠(霊枢より):

・『霊枢・五色篇』

・『霊枢・経脈篇』

・『霊枢・邪客篇』



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