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vol.164【霊枢】素問から読み解く自律神経調整〜氣と神を整える“軸の医学”〜

  • 執筆者の写真: - 鍼仙人 - 高山 昌大
    - 鍼仙人 - 高山 昌大
  • 3月28日
  • 読了時間: 6分

眠れない。動悸がする。疲れているのに休めない。

現代人に多く見られるこれらの症状。西洋医学では「自律神経失調症」とひとくくりにされるが──

東洋医学では、“氣と神のアンバランス”として捉える。

そしてそのバランスを回復させるために、『素問』『霊枢』は驚くほど深く、氣・臓腑・神志の調整法を示している。

今回は、素問的視点と鍼仙人の臨床的知見から、“自律神経”という軸を整えるための東洋的アプローチを解き明かす。



【1. 自律神経とは、“陰陽の揺らぎ”である】


交感神経と副交感神経。それは現代医学における二大自律神経。

東洋医学ではこの二つを、陽(交感)と陰(副交感)のようにとらえる。


  • 交感神経=陽氣:活動・戦い・外向

  • 副交感神経=陰氣:休息・修復・内向


『素問・陰陽応象大論』では、


「陰平陽秘、精神乃治」──陰陽が静かに整えば、精神もまた治まる。

つまり、陰陽の失調こそが“神志の乱れ”=自律神経失調である。


鍼仙人は語る:


「自律神経とは、氣の波長。陰陽が響き合うことで、身体という楽器が調和する。」


【2. 五臓と自律神経の関係:神志を司る氣の主役たち】


東洋医学では、精神・情緒は五臓の神がそれぞれ担当する。


五臓

主る“神”

神志への影響

怒り・焦り・緊張

不安・動悸・興奮

思いすぎ・食欲不振

悲しみ・息苦しさ

恐れ・不眠・倦怠感


これらはすべて、“自律神経的な不調”の形でも現れる。だからこそ、五臓を整えることが、神志=自律神経の調整にもつながる。


鍼仙人の格言:


「心を治したければ、肝と腎を診よ。神を治したければ、氣の流れを整えよ。」


【3. 鍼仙人式・自律神経調整の3ステップ戦略】


“過緊張”を緩める:肝氣・心氣の瀉法 → 太衝・内関・神門・肩井 など

“疲弊”を補う:脾氣・腎氣の補法+温灸 → 足三里・三陰交・太谿・関元 など

“氣の軸”を整える:督脈・任脈の調整 → 百会・印堂・中脘・気海・命門 など


特に重要なのは、“今はどの方向に崩れているか”を診ること。


鍼仙人の視点:


「自律神経を整えるとは、氣の航路を修正すること。脈と舌を診て、氣の“傾き”を見極めよ。」


【4. 補足視点:氣と神の“反応地点”としてのツボ活用】


■ 心神不安 → 神門・心兪・内関(心と心包の氣を鎮める)

■ 胃腸の弱り+過緊張 → 足三里・中脘(氣の安定+補脾)

■ 息苦しさ・不安 → 太淵・膻中・列欠(肺・胸郭を開く)

■ 慢性疲労 → 命門・関元・太谿(腎氣の再起動)



「氣が整えば、神は戻る。ツボは“心の回廊”への入り口なのだ。」


【5. 🔚まとめ:氣を整え、神を安じる──その本質は“自律の回復”】


東洋医学における自律神経調整とは、身体・心・魂という三重構造の氣を整えること。

それは単にリラックスではなく、“自己調整力=自然治癒力”を回復させるアプローチである。


鍼仙人はこう結ぶ:


「自律神経を治すとは、自分自身と調和する力を取り戻すこと。鍼灸はその“静かな再起動”のスイッチである。」

📘次回は【霊枢シリーズ】vol.165「不妊と妊活を東洋医学で診る」について解説していきます。氣・血・精・腎──命をつなぐ身体を、どう育てるか。鍼仙人の妊活戦略をお届けします。




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『鍼仙人』院長 高山 昌大

施術歴16年/87,000人以上の施術実績。

プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。

鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。鍼灸・構造医学・東洋哲学を融合し、“氣と神の調和”を導く施術を追求しています。


🟡典拠(素問・霊枢より):

・『素問・陰陽応象大論』

・『霊枢・本神篇』

・『霊枢・邪客篇』






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