vol.150【霊枢】九鍼の哲学とは?〜なぜ九種類も鍼があるのか?〜
- - 鍼仙人 - 高山 昌大
- 3月26日
- 読了時間: 5分
更新日:3月27日
「鍼」と聞いて、一般の人が思い浮かべるのは、おそらく“細くて長い一本の鍼”。しかし、古代の鍼灸において“鍼”とは、決して一本の道具を指す言葉ではなかった。
『霊枢・九鍼論篇』によると──古代には 九種類の鍼 が存在し、それぞれに「目的」「深さ」「操作」「氣の働き」が異なっていた。この“九鍼の思想”こそが、鍼灸を単なる「刺す技術」から「氣と身体の言語」に昇華させた哲学体系なのである。
【1. 九鍼とは何か?〜それぞれの鍼がもつ“使命”〜】
『霊枢』に記されている九鍼は以下の通り:
鑱鍼(ざんしん):浅く広く、皮膚病・風邪に
圓鍼(えんしん):摩る用、氣を動かす
鍉鍼(ていしん):触れるのみ、氣を整える
鋒鍼(ほうしん):小さな切開、膿や瘀血を出す
鈹鍼(ひしん):面で押す、筋肉の緩解に
員利鍼(いんりしん):浅刺し、熱の発散
毫鍼(ごうしん):現在の細い鍼、氣血の調整
長鍼(ちょうしん):深刺し、関節部の病に
大鍼(だいしん):膿や水を抜くドレナージ用
これらの鍼は、それぞれ氣の状態や身体の層に合わせた専用設計になっていた。
【2. ☯️ 鍼仙人の視点:鍼とは“氣の筆記具”である】
鍼仙人はこう語る:
「鍼とは、氣を描く筆である。筆の太さ・硬さ・先の形が違えば、書ける文字も変わる。」
つまり九鍼とは、氣の流れ・質・深さ・滞り方に応じて、術者が“どの筆で書くか”を選ぶ行為である。
ただ刺すのではなく、氣と身体の物語を“適切な鍼”で語ること──それが真の九鍼の哲学なのだ。
【3. 九鍼は“層の医学”の象徴である】
現代では、毫鍼(ごうしん)だけが残され、九鍼の存在は忘れられつつある。だが、九鍼が示すのは、氣が身体を“層”として流れているという東洋医学の本質。
表皮に浅くとどまる氣
筋層で停滞する氣
臓腑に沈んでいる氣
絡脈に閉じ込められた氣
骨や関節にこもった氣
鍼仙人は言う:
「氣は深さで性質が変わる。だから術者は、氣の層に応じた鍼を選ばねばならない。」
九鍼の存在は、“氣の層”に応じた治療の必要性を教えているのだ。
【4. 鍼仙人式・九鍼の現代的応用】
現代では物理的に九鍼を使い分けることは少ないが、以下のような“意識で使い分ける”ことは可能である。
触れるだけで整える → 鍉鍼的操作
トリガーポイントの筋肉調整 → 鈹鍼的刺法
瘀血・うっ血に対応 → 鋒鍼・大鍼的瀉血
自律神経を整える繊細な操作 → 圓鍼・毫鍼の応用
つまり、操作法・目的・意識の切り替えによって、九鍼は現代にも蘇る。
鍼仙人はこれを「一鍼九法」と呼ぶ。
「一本の鍼に、九通りの心を宿せ。」
【5. 🔚まとめ:九鍼とは、氣の世界に“多言語”を持つための智慧】
九鍼とは、単なる道具ではない。それは氣の世界における“多言語対応”の智慧だ。
一本の鍼だけで、すべての氣に応じるのは不可能。氣の声に“応え分ける”ために、九種の表現方法が必要だった。
鍼仙人はこう結ぶ:
「九鍼を知るとは、氣に対して“九通りの愛”を持つことだ。」
📘次回は【霊枢シリーズ】vol.151「刺鍼の深さと方向〜なぜ“深く刺す”と効くのか?〜」について解説していきます。“深浅”の意味を知れば、あなたの鍼は一段階進化する──お楽しみに!
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一本の鍼に、九つの声を込めて。
隠れ家のようなプライベートラウンジで、
氣と身体の対話を大切にした“東洋の手あて”をお届けします。
『鍼仙人』院長 高山 昌大
施術歴16年/87,000人以上の施術実績。
プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。
鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。鍼灸・柔整・構造医学・東洋医学をはじめとする幅広い知識と手技を融合。
「施術は科学であり、芸術である」を理念に、氣の言葉を読み解く治療を行っています。
🟡典拠(霊枢より):
・『霊枢・九鍼論篇』
・『霊枢・終始篇』

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