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vol.134【霊枢】経絡と臓腑のリンク〜なぜそのツボが効くのか〜— 経絡とは、氣の通訳。ツボとは、臓腑との会話の窓口 —

  • 執筆者の写真: - 鍼仙人 - 高山 昌大
    - 鍼仙人 - 高山 昌大
  • 3月25日
  • 読了時間: 5分

更新日:3月27日

ツボを押して胃が鳴る。手首の一点で心が落ち着く。足の甲を鍼で刺激すると月経痛が和らぐ――

これらの現象は、偶然ではなく、明確な“氣の通路”によって説明される。それが、霊枢に繰り返し描かれる「経絡と臓腑のリンク構造」です。



【1. 経絡とは何か?臓腑と外界をつなぐ“氣の道”】


🟡《霊枢・経脈篇》:


「十二経脈者、人之所以生、病之所以成、人之所以治、病之所以起。」

→ 十二経脈は、生命の成立、病の発生、治療の成立、そして回復のための根本ルートである。

経絡は、単なる氣の流れ道ではありません。それは臓腑の氣を外へ伝え、逆に外からの刺激を臓腑へ届ける“対話の回路”です。


【2. 各臓腑と経絡の対応関係】


臓腑

経絡

流注特徴

主なツボ例

足厥陰肝経

内股〜胸郭〜目系統へ

太衝・曲泉・期門

手少陰心経

心中〜脇〜腕内側〜小指

神門・少海

足太陰脾経

足内側〜腹〜舌根まで

三陰交・陰陵泉・脾兪

手太陰肺経

胸部〜腕内側〜母指

太淵・列缺・中府

足少陰腎経

足裏〜背部〜咽頭〜舌

太谿・腎兪・照海

足陽明胃経

顔〜胸腹〜脚前面

足三里・梁丘・中脘

大腸

手陽明大腸経

手〜肩〜鼻・歯へ

合谷・曲池・迎香

小腸

手太陽小腸経

肩甲骨〜耳〜目外角

後渓・肩貞

膀胱

足太陽膀胱経

頭〜背部〜足外側

膀胱兪・崑崙・申脈

足少陽胆経

側頭部〜体側〜脚外側

足臨泣・陽陵泉

三焦

手少陽三焦経

耳〜肩〜肘〜薬指

外関・天井

心包

手厥陰心包経

胸〜腕内側〜中指

内関・労宮


☯️ 鍼仙人の視点:


経絡とは、臓腑と世界をつなぐ“氣のインターネット”。ツボはその“通信ポート”にあたる。

【3. なぜ“そのツボ”が効くのか?臨床の3つの理由】


① 流注により臓腑へ直結している

  • 足三里 → 胃経の要穴 → 胃脘部の氣の調整

  • 太衝 → 肝経 → 肝血と情緒のバランスを調える


② 経絡の連結によって“関連部位”へ届く

  • 合谷(大腸経)→ 鼻・歯の治療に効く

  • 内関(心包経)→ 胸のつかえ・吐き気・乗り物酔いに効果的


③ 経筋・絡脈による“筋膜・神経・感情”への波及

  • 経筋は筋膜ライン

  • 絡脈は深層の感情的な緊張・気滞を伝える



【4. 実践例:症状別ツボと臓腑のリンク】


症状

使用ツボ

経絡と臓腑の関係

胃のもたれ

足三里・中脘

胃経・任脈 → 胃腑へ氣を届ける

怒り・イライラ

太衝・肝兪

肝経 → 肝気の疏泄を促進

倦怠感・食欲低下

脾兪・三陰交

脾経 → 運化を補助

冷え・夜間尿

命門・太谿

腎経・督脈 → 腎陽の回復

胸のつまり

内関・神門

心包経 → 心気の調整と情緒安定


☯️ 鍼仙人の施術観:


ツボを打つとは、“氣のスイッチ”を押すこと。そのスイッチは、必ず“どこかの臓腑”とつながっている。


🔚まとめ:ツボが効くのは、経絡が臓腑とつながっているから


  • 経絡は“氣の通訳”であり、臓腑と身体表面の架け橋

  • ツボはその“出入り口”として作用する

  • 臓腑の不調は、ツボで変えられる――それが東洋医学の本質


だからこそ、“そのツボ”が、効く理由があるのです。


📘次回予告:次回は「補瀉の思想と操作〜鍼灸技術の哲学〜」をお届けします。氣を“補う”とは?“瀉す”とは?――東洋医学における施術の“哲学的な操作”を深く掘り下げていきます。




🌿 voyage.鍼灸ラウンジ – Total Body Health & Beauty Care – 🌿

〜 鍼灸治療 × 整体 × 美容エステ 〜


“ツボは語る、氣の深層と臓腑の対話。”


隠れ家のようなプライベートラウンジで、

経絡と臓腑のつながりを感じる施術を行っています。



『鍼仙人』院長 高山 昌大

施術歴16年/87,000人以上の施術実績。

プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。

鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。鍼灸・柔整・構造医学・東洋医学をはじめとする幅広い知識と手技を融合。

「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。


🟡 典拠(古典より):

《霊枢・経脈篇》:「十二経脈者、人之所以生、病之所以成、人之所以治、病之所以起。」《霊枢・本輸篇》

《素問・経脈別論》

《難経・二十七難》

《鍼灸甲乙経》など



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