vol.280【傷寒論】発汗の妙:桂枝湯・麻黄湯を鍼灸で捉える
- - 鍼仙人 - 高山 昌大
- 4月3日
- 読了時間: 4分
発汗とは、ただ汗を出すことにあらず。
それは氣の操作であり、邪を追い出し、正氣を護る“境界操作”そのものである。『傷寒論』では、太陽病における「発汗すべきか否か」によって、桂枝湯と麻黄湯という二大名方が展開される。
本稿では、それぞれの方剤が意味する“氣の状態”と、鍼灸師がそれをどう臨床で扱うかを掘り下げていく。
【1.】桂枝湯:表虚にして発汗あり
桂枝湯は「発汗あり、悪風、脈浮緩」という“表虚証”に対する処方である。
汗が自然に出てしまっている(衛氣の守りが弱い)
悪寒よりも「悪風(風を嫌う)」という感覚が強い
身体は戦おうとしているが、外への防衛力が弱い
このような状態では、鍼灸においても過度な瀉法や強刺激は禁忌。
合谷や外関を使って表を軽く開く
補法で正氣の補強を図る
任脈・督脈の氣の統合を意識する
“開けすぎず、緩めすぎず”──このバランスが求められる。
【2.】麻黄湯:表実にして無汗
麻黄湯は「無汗、悪寒、脈浮緊」という“表実証”に対する方剤である。
汗が出ず、表が締まり過ぎている(氣が閉塞)
強い寒気・頭項の強張り
身体が緊張しているが、発散ができない状態
この場合は、鍼灸でも氣の“開き”を促す必要がある。
風門・肺兪・大椎などで瀉法的に背部を開く
外関や列缺で氣の流通を促進
刺絡やカッピングの併用も選択肢になる
氣の流れを開き、邪を外に導く“勢い”を作ることが重要である。
【3.】発汗操作は“氣の境界”を触る技術
発汗は、生理現象ではなく“氣の動作”である。
表虚に発汗を強めれば、氣は漏れ、正氣を損なう
表実に発汗を抑えれば、邪は中に入り、病は深くなる
鍼灸師が発汗を扱うとは、
境界を読む力(虚実・寒熱・開閉)
開ける/閉じるの操作力
その人にとっての“適量”を見極める感覚
を、すべて統合して一手に集約するということだ。
☯️ 鍼仙人は語りかける:
汗は、氣が語る声のひとつ。多すぎず、少なすぎず──氣が必要としている“ほどよさ”を読むのが術者の役目だ。
桂枝湯も麻黄湯も、氣の状態が違うだけ。 その違いを捉えられれば、鍼灸の手技でも“薬に匹敵する一刺し”が可能になる。
🔚まとめ:
桂枝湯は“表虚・有汗”、麻黄湯は“表実・無汗”の典型
鍼灸では、氣の状態に応じて「開く」「補う」の判断が必要
発汗操作とは、氣の境界を操作する“術”である
🎯今日から活かせる一言:
汗の量と質に、その人の氣の状態が映し出されている。
📘次回予告:
次回は「太陽中風と太陽傷寒の違い」──似て非なる両者をどう鍼灸で見極め、氣の段階をどう判断するか?を読み解いていきます。
voyage.鍼灸ラウンジ – Total Body Health & Beauty Care –
〜 鍼灸治療 × 整体 × 美容エステ 〜
“氣の出口を見誤らず、調和の発汗を導く。”
隠れ家のようなプライベートラウンジで、
氣の開閉を見極める“発汗調整の妙技”をお届けします。
『鍼仙人』院長 高山 昌大
施術歴16年/87,000人以上の施術実績。
プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。
鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。衛氣観測法、経脈開閉診、氣門操作刺鍼、古方応用調氣術──氣の出入口を極める刺鍼哲学を探求し続けている。
🟡典拠:『傷寒論』

\対応キーワード一覧/
<施術・メニュー系> :鍼灸・整体・美容鍼・美容整体・骨盤矯正・オイルマッサージ・経絡治療・小顔矯正・マッサージ・ヘッドスパ
<症状・お悩み系> :肩こり・腰痛・風邪・冷え性・自律神経・むくみ・疲労回復・不眠症・体質改善・眼精疲労
<ケア対象・ターゲット別> :産後ケア・マタニティケア・在宅ワーカー・アスリート・現代人の不調・学生ケア・シニアケア・女性の体調管理・免疫ケア・高齢者ケア
<施設タイプ・専門性> :鍼灸院・整体サロン・美容鍼灸・東洋医学専門・完全予約制・女性専用・隠れ家サロン・地域密着・口コミ高評価・都内近郊対応
<対応エリア> :六町・北千住・浅草・銀座・吉祥寺・品川・三郷・流山おおたかの森・草加・南千住・青山・恵比寿・東京都・足立区・南花畑・北綾瀬・綾瀬・青井・梅島・西新井・谷在家・舎人・見沼代親水公園・上野・日暮里・西日暮里・秋葉原・表参道・有楽町・豊洲・東京駅・丸の内・世田谷・渋谷・中目黒・高円寺・荻窪・三鷹・葛西・西葛西・東陽町・人形町・八潮・南流山・流山セントラルパーク・柏の葉キャンパス・松戸・我孫子・幕張・千葉市・越谷・川口・大宮・浦和・守谷・つくばみらい・みらい平・研究学園・つくば・千代田区・中央区・台東区・荒川区・世田谷区・品川区・葛飾区・江戸川区・江東区・石岡市・土浦市・水戸市・さいたま市
\ハッシュタグ/
Comments