vol.272【難経第七十七難】氣の強弱で治療はどう変わる?〜虚実の本質と“力加減”の智慧〜
- - 鍼仙人 - 高山 昌大
- 4月2日
- 読了時間: 5分
治療において、何より大切なもの—— それは、「力の加減」である。
『難経』第七十七難では、氣の強弱、すなわち“虚”と“実”について、 そしてそれに対する施術者の「用力の智慧」について語られる。
“虚には補い、実には瀉す”という基本を、 どれほど深く、どれほど繊細に理解しているか。
今回は、氣の虚実をどう捉え、 その力加減をどう施術に落とし込むか、 東洋医学の真髄をともに掘り下げていこう。
【1. 難経の核心:虚実に応じて治法を変えよ】
第七十七難はこう始まる:
虚すれば之を補し、実すれば之を瀉す。
この一句が、東洋医学の治療原則の根幹である。
しかし、ここで問われているのは、 ただ単に「症状の有無」ではない。
その人の“氣の状態”に対して、 術者が“どのように関わるか”が最大の論点なのだ。
【2. “虚”とは、欠けていることではなく、支えを求めている状態】
虚証とは、単に“弱っている”というよりも、 “今、氣が届いていない”場所を意味する。
そのため、
強く押しても響かない
刺激が入りづらい
施術後、反応が鈍い
といった特徴が出やすい。
そこには、「優しく、持続的に、氣を届ける」 というスタイルが必要になる。
【3. “実”とは、余分に満ちているのではなく、滞っている状態】
逆に、実証とは、氣が過剰に集まり、 流れを妨げている状態。
張っている
熱を持っている
押すと強く反応する
このとき、施術者がすべきは、 「力を加えること」ではなく、 「抜く余地を与えること」。
すなわち、氣の“抜け道”を開いてあげることが 最も重要な働きなのだ。
【4. 補瀉は“技法”ではなく“応答”である】
ここが最も重要なポイント。
補瀉は、テクニックではない。
患者の氣に、どのように“応答”するか。
・虚には、そっと触れて、氣が湧く余地を与える ・実には、風穴を開けて、氣が抜ける隙間をつくる
つまり、補瀉とは“氣との対話”であり、 “場に身を委ねる智慧”でもある。
【5. 治療とは、力加減の芸術である】
氣の虚実は、数値で測れない。
・その日の体調
・その人の氣質
・訴えていることと表現していることのギャップ
すべてを感じながら、 今、どのくらいの力が適切かを見極める。
鍼一本、手の圧一つに宿る“力加減の美学”。
それこそが、 真に人を癒す施術の本質である。
☯️ 鍼仙人の哲学:力とは、届く強さでなければ意味がない
鍼仙人はこう観る: 「力は強ければ良いのではない。 “届くかどうか”こそが、すべてなのだ。」
その人の氣に、ちゃんと届いているか。 虚には優しさを、実には余白を。
——それが、治療の真髄である。
氣の状態を見抜き、 それに応じた“応答”を織りなすこと。
『難経』第七十七難が伝えるのは、 力加減に宿る“臨床の感性”である。
鍼仙人はこう考える:
力の強弱ではなく、氣との関係性を調えること。
——届く力こそ、最も深く癒す。
🔚まとめ
・虚実とは、氣の状態の“違い”であり、治療の出発点
・補瀉とは、氣の動きに“応答”する感性である
・施術は、“届く強さ”を探る繊細な芸術である
今日から活かせる一言:"強さよりも、深さ。その一押しが氣を動かす。"
📘次回予告
次回vol.273では、 『難経第七十八難』における「脈の強弱と病の軽重」について、 診断力を磨く視点から掘り下げていきます。
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『鍼仙人』院長 高山 昌大
施術歴16年/87,000人以上の施術実績。
プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。構造調整・経絡鍼灸・リズム整体・圧加減アプローチ・氣質分析などを統合し、 “届く力”の施術を追求。「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。
🟡典拠
『難経』第七十七難

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