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vol.267【難経第七十二難】氣はなぜ偏るのか?〜左右・上下・内外に揺れる生命〜

  • 執筆者の写真: - 鍼仙人 - 高山 昌大
    - 鍼仙人 - 高山 昌大
  • 4月1日
  • 読了時間: 5分

氣は流れている——しかし、常に均等とは限らない。

『難経』第七十二難は、氣の“偏り”について説く。 「左右に寄る氣」「上下に集まる氣」「表に現れる氣と、内に沈む氣」

この章は、氣の静的な存在ではなく、“動態としての氣”を見る眼を養ってくれる。

偏りとは、歪み。 歪みとは、命のゆらぎそのもの。

今回は、氣がなぜ偏り、どう調えるか。 その哲学と臨床的アプローチを深掘りしていこう。



【1. 偏りとは、生きている証】


氣が偏る——それは病ではなく、命が“動いている”という証だ。

すべてが静止しているとき、生命は存在しない。 氣が揺れるからこそ、心が動き、体が働き、変化が起きる。

だが、その揺れが大きくなりすぎたり、 一定の場所に氣が滞ったりすれば、それは“病の芽”になる。

偏りとは、生のリズムが過剰または不足になっているサイン。 まずはその“偏り”を否定せず、 氣のゆらぎとして観察することが第一歩だ。



【2. 難経の視点:左右・上下・内外に偏る氣】


『難経』第七十二難はこう説く:


人の氣は左右に偏し、上下に偏し、内外に偏す。

これはすなわち、 ・氣が右半身に集まる(或いは左に寄る) ・氣が上焦に集中し、下焦が空になる ・氣が表面に滞り、内に通らない

といった現象が、臨床に頻出することを教えている。

この“氣の偏在”を見抜く力がなければ、 施術の手は空を切ることになる。



【3. 臨床における氣の偏りのサイン】


氣の偏りは、身体にさまざまな形で現れる。

・左右:片側の肩こり、片頭痛、坐骨神経痛など ・上下:のぼせ・冷え、胃熱・腎虚のアンバランスなど ・内外:皮膚疾患(表)、慢性内臓虚弱(裏)など

症状だけでなく、 顔色・姿勢・脈・呼吸・言葉遣いにまで、 氣の偏在は滲み出ている。

鍼灸師は、“氣の揺れ”を見抜く観察者でなければならない。



【4. 偏りを“整える”とはどういうことか】


氣の偏りを整えるとは、 無理に均等にすることではない。

それは、 ・過剰な氣をゆるめ、 ・不足しているところに氣が満ちるようにし、 ・氣がめぐる余地=“余白”をつくること。

つまり、整えるとは“氣が動き直す環境”を整えること。

鍼一本、手のひと撫でが、 その起点になるのだ。



【5. 偏りを読むための“静かな眼”】


氣の偏在を観るには、感覚では足りない。

それは、“診る”のではなく“聴く”こと。 身体が語っているリズムを聴き、 氣がどこへ向かおうとしているのかを見極める。

そのとき必要なのは、 ・脈の声を聴く耳 ・皮膚の張りを読む掌 ・沈黙の背後にある氣配を掴む心

施術とは、氣の詩(うた)を読み解く静かな仕事である。


☯️ 鍼仙人の哲学:氣の偏りにこそ、生のリアルが宿る


鍼仙人はこう観る: 「氣が整いすぎていたら、それは“死”だ。 偏りがあるからこそ、生きている。」

偏りは、今この人がどう生きているかの“地図”。 それを否定せず、読み解き、余白を与える。

——それが、鍼の道である。

氣の偏りを診ること。 それは、命のリズムと対話すること。

『難経』第七十二難は、氣のバランスではなく、 氣の“動きのダイナミズム”を教えてくれる。

鍼仙人はこう考える:

氣は偏るもの。 それをどう受けとめ、どう整えるかが、施術の真髄だ。

——生命は、常に“ゆらぎ”の中にある。



🔚まとめ

・氣は常に動き、左右・上下・内外に偏在する ・氣の偏りを診ることは、命のリズムを感じること ・整えるとは、均すことではなく“動ける状態”を取り戻すこと

今日から活かせる一言:"偏りは、生命の詩。まずは耳を澄ませよ。"


📘次回予告

次回vol.268では、『難経第七十三難』にて 「五臓の氣がどう交わるか」をテーマに、 氣の融合と統合の叡智を深掘りしていきます。


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“揺らぎを恐れず、整える。氣の偏りに、美が宿る。”


隠れ家のようなプライベートラウンジで、“整えるとは、力で均すのではなく、氣の余白を取り戻すこと。”氣の偏りに寄り添う施術を提供。



『鍼仙人』院長 高山 昌大

施術歴16年/87,000人以上の施術実績。

プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。

鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。左右差矯正・クラニオ・筋膜調整・感情解放・経絡統合・構造調整など、氣の偏りにアプローチする多彩な技術を統合。「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。


🟡典拠

『難経』第七十二難




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