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vol.266【難経第七十一難】臓腑の氣はどう出入りするか?〜氣の流通と“呼吸する身体”〜

  • 執筆者の写真: - 鍼仙人 - 高山 昌大
    - 鍼仙人 - 高山 昌大
  • 4月1日
  • 読了時間: 5分

東洋医学が「氣の医学」と呼ばれる理由。 それは、目に見えぬ“氣”の動きが、 命そのもののリズムと深く結びついているからだ。

『難経』第七十一難はこう問う。 「臓と腑、氣はどこから来て、どこへ出てゆくのか?」

この一見シンプルな問いが示すのは、 臓腑が“呼吸している”という事実だ。

今回は、臓と腑における氣の流出入を読み解きながら、 氣がめぐる身体=“生きている構造”としての人体を見つめていこう。



【1. 臓は內に納め、腑は外に通す】


難経第七十一難では、臓と腑の氣の出入りについて明確に語られている。


臓は内に納めて泄さず、腑は外に通じて泄す。

これはつまり、

・臓は内向きに氣を蓄え、外には出さない「藏」

・腑は氣を運び、外へと開いていく「通」


という機能の対比を示している。

臓=心・肝・脾・肺・腎腑=小腸・大腸・胃・胆・膀胱

この“氣の流れ”を理解することが、診断と施術の精度を高める鍵となる。



【2. 臓腑の氣の流れは“呼吸”である】


臓は氣を内に留める。 腑は氣を外に運ぶ。

このリズムは、まるで“吸気と呼気”のような動きだ。

心や腎が内なる氣を湛える一方で、 胃腸や膀胱は、外と繋がる氣の“通り道”となっている。

つまり臓腑とは、氣の呼吸装置であり、 その出入りがスムーズであるほど、 身体は調和し、健やかに機能する。



【3. 氣の停滞は“出入口”の不具合に現れる】


氣の流れが滞るとき、その多くは“出入り口”に問題がある。

・臓が氣を納められないと、内圧が不安定になる ・腑が氣を漏らしすぎると、外とのバランスが崩れる


たとえば:


  • 食後にすぐ疲れる(脾が納氣できない)

  • 下痢や頻尿(腑が氣を漏らしすぎる)

  • 呼吸が浅い(肺の納気と発散のバランス失調)


こうした現象は、“氣の呼吸”の乱れとして読み取ることができる。



【4. 臨床は“氣の出入り口”を整えること】


施術において重要なのは、氣の流れそのものよりも、 氣の“出入り”がうまくいっているかを観察すること。


たとえば:


  • 肺を補うときは、納気と発散の両方を意識する

  • 脾胃を整えるときは、収斂と排出のバランスを見直す

  • 腎が氣を納められるかどうかは、呼吸や排尿で確認する


“氣の出入り口”が開きすぎても閉じすぎても不調を生む。 その開閉のバランスを整えることが、真の氣の調律だ。



【5. 身体は、氣をめぐらせる“生きた構造”】


臓腑は器ではない。 氣を納め、運び、呼吸しながら、命を循環させる“構造”だ。

この構造が機能している限り、 人は思考し、感じ、動き、治癒し、成長できる。

だからこそ、東洋医学は氣の流れを見るだけでなく、 “氣がどこへ入って、どこから出ているのか”という動的な観察を大切にする。

氣はただ“ある”のではなく、 “流れている”のだ。


☯️ 鍼仙人の哲学:氣とは、呼吸する生命の証


鍼仙人はこう観る: 「氣は流れているうちは、生きている。 納まり、出てゆくそのリズムが、命そのものだ。」

臓腑が氣を呼吸している限り、 人は自然の一部として生きている。

氣は、入ってきて、出ていく。 その当たり前のような営みに、 私たちの健康と生命の秘密が宿っている。

『難経』第七十一難は、それを“臓と腑”という形で教えてくれる。


鍼仙人はこう考える:

施術とは、氣の流れをつくることではない。 氣が“自然に出入りできる状態”を取り戻すことだ。

——氣の呼吸が整えば、命は動き出す。



🔚まとめ

・臓は氣を納め、腑は氣を通すという出入口の論理 ・氣は“呼吸”のように出入りすることで、命を支える ・臨床では“氣の出入り口”のバランスを見る眼が重要

今日から活かせる一言:"施術とは、氣の呼吸を取り戻すこと。"


📘次回予告

次回vol.267では、『難経第七十二難』を通して、 “氣の偏りとその調整法”について掘り下げていきます。


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呼吸調整・内臓整体・エネルギーワーク・クラニオセイクラルなどを融合した施術で、

氣の呼吸を調律。



『鍼仙人』院長 高山 昌大

施術歴16年/87,000人以上の施術実績。

プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。

鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。整体・内臓調整・クラニオ・リズムセラピー・エネルギー療法・氣功など、幅広いアプローチを統合。「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。


🟡典拠

『難経』第七十一難




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