vol.268【難経第七十三難】氣は交わり、ひとつになる〜五臓を結ぶ“氣の融合”〜
- - 鍼仙人 - 高山 昌大
- 4月1日
- 読了時間: 5分
“氣は分かれ、そして交わる。”
それが『難経』第七十三難の核心だ。
五臓六腑は、それぞれが独立した器官ではなく、 氣を通して常に関わり合い、影響し合い、 やがて“一つの生命”として統合されていく。
この章は、「氣がどう交わり、混じり合い、全体を成すのか」 というダイナミックな人体観を私たちに提示してくれる。
今回は、五臓の氣がどのように関わり合い、 どう調和し、どんなときに乱れるのかを読み解いていこう。
【1. 難経の教え:氣は単独では存在しない】
『難経』第七十三難では、こう説かれる:
五臓の氣は、交わって共に栄え、 分かれてもまた集まり、一身を成す。
つまり、心・肝・脾・肺・腎という五臓の氣は、 互いに流れ込み、影響し合い、 決して孤立して存在することはない。
この“氣の融合”が、健康の本質を形づくる。
【2. 交わる氣とは“関係性の力”】
氣が交わるとは、単に混じり合うことではない。
それは、“他者に触れ、変化し、活かされる力”のこと。
例えば:
肝の氣が心に流れれば、情動が動きやすくなる
肺の氣が腎に届けば、呼吸が深くなる
脾と肝が交われば、食欲と感情が連動する
このように、氣の交わりは、 五臓を“協働するひとつの生命”に変えていく力なのだ。
【3. 融合が乱れるとき、病が始まる】
氣の交わりがスムーズであれば、全身は一体として機能する。 だが、この融合がうまくいかなくなると、 氣は閉じ、各臓器は孤立し、病が始まる。
例えば:
肝と脾の氣が交われないと、イライラと胃痛が共に起こる
心と腎が繋がらなければ、動悸と不安が続く
“交わらない”ことこそが、不調の本質であり、 “氣の断絶”を修復することが、施術の鍵となる。
【4. 臨床家は“氣の架け橋”であれ】
施術とは、分断された氣を“再びつなぐ”行為である。
・呼吸を整えて、肺と腎を結ぶ
・内臓の張りをほどいて、肝と脾を調和させる
・脈を通して、心と腎の深い会話を取り戻す
つまり、術者の手が氣の“架け橋”となることで、 体内の断絶は癒やされていく。
【5. 鍼灸とは“氣の交差点”を動かす術】
ツボは、氣の集まる場所であり、 “交差点”のような存在でもある。
そこに鍼を打つことで、 別々の氣が再び混じり合い、流れ始める。
氣の交わりを促すとは、 氣の“交差点”に風を通し、詰まりを取ること。
術者は、その場に風を起こす者である。
☯️ 鍼仙人の哲学:氣が交わるとき、命はひとつになる
鍼仙人はこう観る: 「氣が交わるとは、孤立したものたちが、 再び“ひとつの生命”に戻っていくこと。」
臓腑の氣を繋げることは、その人の“統合”を助けることだ。 それは肉体だけでなく、心と魂までも結び直す行為。
——氣が交われば、命は整う。
氣は巡るだけではない。 混じり合い、繋がり合い、融合しながら、 ひとつの命を育てていく。
『難経』第七十三難は、 その“氣の統合”という視点から、 私たちの施術に新たな軸を与えてくれる。
鍼仙人はこう考える:
施術とは、バラバラになった氣をつなぎ直す仕事。
——氣の交わりを取り戻せば、人はまた“ひとつ”になれる。
🔚まとめ
・五臓の氣は常に交わり、全体として一身を成す ・氣の融合が乱れると、臓腑は孤立し、不調を招く ・鍼灸は氣の交差点に風を通す“統合の技”である
今日から活かせる一言:"施術とは、氣の会話をつなぎ直すこと。"
📘次回予告
次回vol.269では、氣がどう“出入りし、調整されるか”を問う 第七十四難に進み、“氣の動的バランス”の核心へと迫っていきます。
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『鍼仙人』院長 高山 昌大
施術歴16年/87,000人以上の施術実績。プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。統合医療・東洋医学・構造調整・エネルギー施術・脈診・心理調律まで幅広く網羅。「施術は科学であり、芸術である」を理念に、心身の真の調和を追求。
🟡典拠
『難経』第七十三難

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