vol.187【霊枢】“汗”は氣の変化である〜津液と氣の関係を読み解く〜
- - 鍼仙人 - 高山 昌大
- 3月28日
- 読了時間: 3分
汗をかくことは、体温調節だけではありません。
東洋医学では、汗は「津液(しんえき)」の一種であり、その根源は氣と密接に関係するとされます。 『霊枢』においても、氣と汗の関係は非常に重要なテーマとして語られています。
鍼仙人はこう観る: 「汗は氣のカタチを変えたもの。汗の質は、氣の質で決まる」
今回は、氣と津液、そして汗の関係に迫っていきます。
【1. 汗の源は“津液”であり“氣”でもある】
『霊枢・経脈篇』には、 「津液者、脈中の氣なり」と記されます。
つまり、汗は血やリンパのような“液体”でありながら、その本質は氣の一部であると考えられます。
☯️鍼仙人の解釈: 「氣が内側からあふれたとき、液となって現れる。それが“汗”」
汗は、単なる水分ではなく、 体内のバランスを保つ“氣の表現”なのです。
【2. 汗と五臓のつながり】
汗の状態を診ることで、内臓の状態が読み取れます。
心が弱ると、寝汗が出る
肺が乱れると、寒気や無汗状態に
脾の氣虚では、ちょっとの動きで多汗になる
とくに「心と汗は通じる」とされ、精神状態や緊張、不安が汗に現れることも。
【3. 汗は“氣の漏れ”になることもある】
発汗が必要以上に多い、止まらない──
これは“氣”が体外に漏れている状態と捉えることができます。
自汗(じかん)……安静時でも出る汗 → 氣虚
盗汗(とうかん)……寝汗 → 陰虚 or 心虚
大汗(たいかん)……病中・発熱時の大量発汗 → 正氣の消耗
過剰な発汗は、氣を弱らせる原因にもなるため、しっかりと調整が必要です。
【4. 汗を整える鍼灸のアプローチ】
汗を整えるには、氣を整えることが肝心。
神門(心経):寝汗・精神不安に
太淵(肺経):体表の調整、風邪予防に
合谷(大腸経):発汗のバランスを取る
鍼灸では、氣の流れを正し、汗が“氣の表現”として適切に出入りするように整えていきます。
🔚まとめ:汗は氣の状態を映す“しるし”
汗は津液であり、氣の変化でもある。
日々の発汗状態に注目することは、氣の健康を見直す手がかりになります。
🪶今日から活かせる一言: 「汗の質を診よ──それは内なる氣の手紙である」
📘次回は【霊枢シリーズ】vol.188「“脈”とは何を語るのか?〜氣の拍動と診察の本質〜」について解説していきます。 東洋医学における“脈診”の本質に迫る回。お楽しみに。

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『鍼仙人』院長 高山 昌大
施術歴16年/87,000人以上の施術実績。
プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。
鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。 氣の変化を指先で感じ取り、最小の刺激で最大の調和を導く──それが鍼仙人の流儀。
🟡典拠(霊枢より):
・『霊枢・経脈篇』
・『霊枢・本神篇』
・『霊枢・邪客篇』
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