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vol.180【霊枢】経絡と臓腑のリンク〜なぜそのツボが効くのか〜

  • 執筆者の写真: - 鍼仙人 - 高山 昌大
    - 鍼仙人 - 高山 昌大
  • 3月28日
  • 読了時間: 5分

「なぜそのツボを選ぶのか？」 施術を受ける側にも、施術する側にも、 常につきまとうこの問い。

答えは“氣の流れ”にあり。 東洋医学では、経絡（けいらく）と臓腑（ぞうふ）の繋がりこそが、 ツボの選定を決定づける本質とされている。

今回は『霊枢』をもとに、 経絡と五臓六腑のリンク構造を紐解き、 なぜ“そこ”に鍼を打つのか──その核心に迫る。



【1. ツボとは“氣の合流点”である】


『霊枢・本輸篇』より── 「経脈を以て輸を知る」

つまり、ツボとはただの“場所”ではなく、 氣が流れ込み、交わり、変化するポイントである。


  • 陰陽の氣が交差する場

  • 五臓六腑と連絡する通路

  • 病が現れ、治が起こる焦点


☯️鍼仙人の視点：


「ツボとは、氣の交差点。 それは“氣が語る場所”である。」


【2. 経絡は“氣のルート”、臓腑は“氣の拠点”】


五臓六腑にはそれぞれに対応した経絡がある。

例えば：


  • 肝 → 足厥陰肝経

  • 心 → 手少陰心経

  • 脾 → 足太陰脾経

  • 肺 → 手太陰肺経

  • 腎 → 足少陰腎経


これらは“氣の通り道”であり、 氣のバランスが崩れると、 経絡上に異常（圧痛・冷え・腫れなど）が現れる。



☯️鍼仙人は語る：


「氣の乱れは、路に現れ、府に響く。 経絡は臓腑の“声”を伝える道だ。」


【3. なぜ“そのツボ”が効くのか？】


例えば：


  • 肝の不調 → 太衝（肝経の原穴）

  • 胃の不調 → 足三里（胃経の合穴）

  • 腎の虚 → 太谿（腎経の原穴）


これらのツボが効果的なのは、 対応する経絡を通じて、臓腑に氣が届くからである。

逆に言えば、 “ツボを押す”とは、“臓腑に氣を送る”ということ。


☯️鍼仙人の捉え方：


「なぜそこに鍼を打つのか？ それは氣がそこを通っているからだ。」


【4. “全体と部分”のリンクを診る】


経絡と臓腑のリンクは、 部分（ツボ）と全体（氣の構造）を結ぶものでもある。


  • 腰痛でも肺経が反応していたり

  • 頭痛でも肝経が主因になっていたり

  • 肌荒れが腸経からアプローチされたり


身体は“つながって”いる。


☯️鍼仙人はこう考える：


「ツボは局所ではない。 宇宙を写す一点にすぎぬ。」


🔚まとめ：ツボは“氣の道”と“臓腑の声”を結ぶ


なぜそのツボを選ぶのか？ それは、経絡という“氣の流れ”が、 臓腑という“命の営み”と直結しているから。

ツボは、氣の技術者たる鍼灸師にとって、 最も信頼すべき“氣のスイッチ”である。


🪶今日から活かせる一言：


「ツボは、氣と臓腑をつなぐ扉。」

📘次回は【霊枢シリーズ】vol.181 「鍼の深さはなぜ変える？〜九鍼の意味と氣の層〜」について解説していきます。 浅刺と深刺、硬さと響き──“深さ”に込められた鍼灸の知恵を紐解きます。






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『鍼仙人』院長　高山 昌大

施術歴16年／87,000人以上の施術実績。

プロアスリートや著名人の施術経験も豊富。

鍼師・灸師・柔道整復師・機能訓練士・登録販売者・調理師など、多岐にわたる国家資格を保有。“ツボの裏にある氣の哲学”を臨床で体現し続けている。


🟡典拠（霊枢より）：

・『霊枢・本輸篇』

・『霊枢・経脈篇』

・『霊枢・終始篇』


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